11月の純外人直接投資(FDI)、55%増

2014/02/10

年初11カ月間累計では37%増の36億ドルに

 

 フィリピン中央銀行(BSP)は2月10日、2013年11月及び年初11カ月間(1~11月)の外人直接投資(FDI)の速報値を発表した。


 [2013年11月の動向]
 11月の外人直接投資(FDI)純流入額は前年同月比54.9%増の2億8,600万米ドルと堅調。フィリピン経済の成長見通しが投資家に好感された。

 FDIのうち、株式資本投資の純流入額は19.6%減の6,200万米ドルと低調。項目別では、通常資本勘定が700万米ドル(総投資額:2倍増の9,400万米ドル、引揚げ額:31.2%増の8,700万米ドル)の純流入に転じ、利益再投資純流入額は5,500万米ドルと前年同月から44.3%減少した。主な対フィリピン投資国・地域は米国、日本、英国、香港、シンガポール。主に、製造事業、電気・ガス・蒸気・空調サービス事業、不動産活動、鉱業、商業活動への投資。

 現地グループ企業(子会社や関連会社)への貸付やそれらが発行する債券引受額(ネットベース)は2倍増の2億2,500万米ドルに拡大した


 [2013年年初11カ月間の動向]
 年初11カ月間の外人直接投資(FDI)純流入額は前年同期比36.6%増の36億4,800万米ドルに達した。

 そのうち、株式資本投資純流入額は41.4%減の13億0,600万米ドルと二桁減。項目別では、通常資本純流入額が46.9%減の6億6,500万米ドル(総投資額は54.7%増の23億6,600万米ドル、引揚げ額は6倍増の17億0,100万米ドル)、利益再投資純流入額が34.3%減の6億4,100万米ドル。債券引受(ネットベース)純流入額は5.3倍増の23億4,200万米ドルであった。

 主な対フィリピン投資国・地域はメキシコ、日本、米国、英領バージン諸島、シンガポール。製造事業、上下水道・廃棄物管理処理事業、金融保険部門、不動産部門、娯楽・レクリエーション事業への投資が中心であった。

 なお、中央銀行のFDI統計は実際の外貨流入額がベースとなっており、フィリピン経済区庁(PEZA)や投資委員会(BOI)が発表する投資認可額とはベースが異なる(14年2月10日のフィリピン中央銀行発表などより)。


外人直接投資(FDI)純流入額(単位:百万米ドル)

時期 11月 1~11月
項目 2012年 2013年 伸び率% 2012年 2013年 伸び率%
外人直接投資純流入額 185 286 54.9 2670 3648 36.6
 株式資本投資 77 62 -19.6 2228 1306 -41.4
   通常資本勘定 -21 7 134.9 1252 665 -46.9
   利益再投資勘定 98 55 -44.3 976 641 -34.3
 貸付や債券引受(ネット) 108 225 107.9 442 2342 429.9

  (出所:フィリピン中央銀行資料より作成、全て速報値)