不二製油レイテ工場、復旧の目途立たず
2014/02/09
台風での特損10億円計上、保険でカバー
事業継続などについては現在検討中
昨年11月8日にフィリピンを襲った超大型台風30号(フィリピン名:ヨランダ)により、大手油脂メーカーである不二製油のフィリピン拠点がほぼ全壊した。
不二製油のフィリピン拠点とは、連結子会社であるニュー・レイテ・エディブル・オイル・マニュファクチャリング社(NLEOMC、フィリピン・レイテ島)である。日本人駐在員および現地従業員については全員の無事が確認された。しかし、生産設備については、甚大な被害が生じ、生産活動は現在も停止しており、復旧の目途は立っていない。
不二製油は、台風30号の災害による損失として、棚卸資産の評価損等7億1,000万円及び主として工場設備の除却損2億9,000万円の計10億円を「災害による損失」として、2014年3月期第3四半期に特別損失として計上。被害を受けた棚卸資産及び固定資産については、保険が付保されており、一時金として受け取った保険金4億3,100万円を、2014年3月期第3四半期に特別利益として計上。
2014年3月期第3四半期末以降にも被害を受けた資産に対する保険金の受け取りが見込まれるため、業績に与える影響は軽微と判断している。
NLEOMCの事業継続等について現在検討中であり、その決定により不二製油の業績に重大な影響が見込まれる場合には速やかに情報開示するとのことである。
なおNLEOMCは、レイテ島において、ココナツ・オイル(やし油)を原料とする食用油脂の製造販売を行っている。設立は1994年2月、現行資本金は5億0,700万ペソで不二製油が86.7%、伊藤忠商事が12.5%、現地資本が0.8%出資している(14年2月7日の不二製油株式会社ニュースリリースなどより)。