1月末の外貨準備高、1年7カ月ぶりの低水準
2014/02/08
ドル売り介入等で前月末比5.1%減の789億ドル
フィリピン中央銀行(BSP)は2月7日、2014年1月末の総外貨準備高(GIR)速報を発表した。
それによると、1月末のGIR(速報値)は前年同月比7.4%減の789億3,864万米ドルと、2012年7月の約761億ドル以来、1年7か月ぶりの低水準となった。また、2012年8月以来の800億米ドル台割れともなった。前月末からは約42億5,000万米ドル、率にして5.1%の減少となった。
減少の主要因は、BSPのドル売り介入や政府の対外債務の返済などである。これらによる外貨流出は、BSPによる外国投資からの利益、金の保有額評価益、政府の外貨建て預金などでは相殺されず、GIR減少という結果となった。
1月末のGIRは輸入の11.3カ月分に相当する水準。また、原本ベース短期負債の約7.9倍、残存ベース短期負債の5.6倍に相当する水準である(14年1月7日のフィリピン中央銀行発表より)。
フィリピンの総外貨準備高推移(単位:百万ドル)
項目 | 年末値 | 14年 | 14年1月の伸び率 | ||||||
年・月 | 08年 | 09年 | 10年 | 11年 | 12年 | 13年 | 1月 | 前月比 | 前年同月比 |
総外貨準備高(GIR) | 37,551 | 44,243 | 62,373 | 75,302 | 83,831 | 83,187 | 78,939 | -5.1% | -7.4% |
輸入カバー率(月数) | 6.0 | 8.7 | 9.5 | 12.1 | 11.9 | 11.9 | 11.3 | - |
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、1月は速報値)