13年の外人純金融投資額、8%増の42億ドル
2014/01/17
フィリピン中央銀行(BSP)は1月16日、2013年12月及び通年の海外からのポートフォリオ投資(証券投資等の間接投資)勘定の速報値を発表した。
海外からのポートフォリオ投資としてカウントされるのは、非居住者によるポートフォリオ投資動向であり、証券取引所(PSE)を通じてのフィリピン株式、ペソ建て債券、銀行でのペソ建て預金、マネーマーケット投資などが含まれる。
12月の海外からのポートフォリオ投資勘定は3億5,400万米ドルの売り越しとなった。間近に迫った米国の量的金融緩和の縮小が影響した。証券などの取得総額(グロス)は前月比59.1%減、前年同月比29.6%減の12億2,600万米ドル。一方、処分総額は前月比21.7%増、前年同月比3.5% 増の15億8,000万米ドルであった。
2013年通年の海外からのポートフォリオ勘定純流入額(買越し額)は、前年比8%増の42億2,500万米ドルに拡大。証券などの取得総額(グロス) は同53.7%増の284億0,400万米ドル。フィリピンの堅調なマクロ経済ファンダメンタルズや高いGDP成長率、フィッチ・レーティングズ、スタン ダード&プアーズ(S&P)、ムーディーズ・インベスター・サービスの3大国際格付け機関によるフィリピン格付の投資適格へのアップグ レード等が投資家に好感された。
対フィリピン投資国上位5カ国は英国、米国、シンガポール、ルクセンブルグ、香港で全体の83.5%を占めた。主な投資対象はPSE上場企業株式(シェア74.7%)、ペソ建て国債(23.0%)、ペソ建て定期預金(2.0%)。PSE上場企業株式のセクター別内訳は、持ち株会社、銀行、不動産会社、食 品・飲料・煙草企業、通信サービス会社などであった。
一方、処分総額は前年比65.9%増の241億8,000万米ドルであった(14年1月16日のフィリピン中央銀行発表より)。
海外からのポートフォリオ投資(証券等の金融市場投資)勘定 (単位:百万米ドル)
期間 | 12年12月 | 13年11月 | 13年12月 | 対前月伸び率 | 対前年同月伸び率 | 2012年 | 2013年 | 伸び率 |
取得総額 | 1,740 | 3,000 | 1,226 | -59.1% | -29.6% | 18,482 | 28,404 | 53.7% |
処分総額 | 1,527 | 2,019 | 1,580 | -21.7% | 3.5% | 14,571 | 24,180 | 65.9% |
純流入額 | 213 | 981 | -354 | 純流出に転落 | 純流出に転落 | 3,911 | 4,225 | 8.0% |
(出所:フィリピン中央銀行資料より)
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