NTTデータ、アジア共通決済ネットワークへ加盟

2014/01/09

日本企業で初、フィリピンの加盟企業はメガリンク

 

 NTTデータは、アジア太平洋地域内の共通決済制度構築を目指す団体である、Asian Payment Network(APN)から日本企業として初めて加盟承認を受けた。



 NTTデータは、APN加盟をうけ、APN加盟のアジア太平洋各国の企業と連携し、アジアリテール決済ビジネスの検討を開始する。

 APNは、「アジアにおける新しいリテール決済ネットワーク」を目指し2006年にASEAN主要国(シンガポール・マレーシア・インドネシア・タイ)の中央銀行主導により設立された団体で、現在10カ国、12事業者が加盟し、各国間におけるリテール決済分野の新たな仕組みの検討・提供を行っている。フィリピンでは、メガリンクがAPN加盟決済事業者となっている

 NTTデータは、日系企業や邦銀のアジア進出が活発化するなか、アジア域内においてリテール決済サービスの必要性が高まるという想定から、NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区)と共同でAPNへの加盟検討を続け、今回の加盟承認に至った。

 なお、12月13日に金融・資本市場活性化有識者会合が発表した「金融・資本市場活性化に向けての提言」において"アジアの潜在力の発揮、地域としての市場機能の向上、我が国との一体的な成長"を実現する具体的施策として、「民間事業者のアジア域内のATM相互接続ネットワークの参加を後押し」することが言及されており、今後NTTデータのAPN加盟を通じて日本の金融機関と各国金融機関等との連携がより促進されていく可能性がある。

 NTTデータは、日本国内で長年培ってきた決済ネットワークのノウハウを活用し、国内金融機関とともにアジアリテール決済の新しい仕組みを提供していく方針である。

 国内金融機関はNTTデータが2014年をめどに開発を予定しているシステムを通じて、APNに加盟している各国金融機関とオンラインで接続され、アジア・太平洋地域各国の観光客等訪日外国人が、日本国内において自国金融機関のキャッシュカードを用いて、現金の引き出しや銀聯サービスと同様にショッピングをすることが可能になる。また、日本人の海外渡航者がASEAN各国にて容易に現地通貨の引き出しを行うことが可能となる。

 NTTデータは、決済総合ネットワーク「CAFISR注1」、統合ATMスイッチングサービス注2等における実績を生かしてAPNでの標準化作業に積極的に参画していくことで、アジアのリテール決済分野における日本の存在感を増していきたいと考えている。また、新たなサービスの開発に主体的に関わっていく中で、日本の先進的な決済サービスを金融機関と共同で検討しつつ、APN参加国へ提供する予定である。

 なお、Asian Payment Network(APN)は、「アジアにおける新しいリテール決済ネットワーク」を目指し、2006年、ASEAN主要国(シンガポール・マレーシア・インドネシア・タイ)の中央銀行主導により設立された。2010年以降、非ASEAN諸国(韓国・中国・オーストラリア・ニュージーランド)も加盟し、現時点ではフィリピン、ベトナムを含む計10カ国で接続が進んでいる。

 現在は、ATM(現金引き出し、残高確認、POS、郷里送金)に関する標準化を進め、将来は、デビットカード、クレジットカード、ファンドトランスファー、モバイル・ネットバンキングへの適用も視野に入れて検討を進めている。

 NTTデータは、APNがその活動を活発化していくことによって、ドルを介さない市場が形成され、日本円の国際化につながり得るものと考えている(14年1月8日の株式会社NTTデータのニュースリリースなどより)。