12月のインフレ率4.1%、2年ぶりの高水準

2014/01/07


通年では3%で目標(3~5%)の下限に

 

フィリピン国家統計局(NSO)は12月5日、2013年11月の消費者物価動向を発表した。



 12月の総合消費者物価上昇率(インフレ率、2006年=100)は前年同月比4.1%(速報値)となり、前月から0.8%ポイント上昇した。フィリピン中央銀行(BSP)の直前予想圏内(3.8~4.7%)には納まったものの、2011年12月の4.2%以来2年ぶりの高水準となった。

 国内の食品・電気・石油の価格上昇が、インフレ率上昇に大きく影響した。特に、食品のインフレ率は、コメ、肉、魚、果物、野菜といった主要食品の価格がクリスマスシーズンによる需要増加で上昇。また、電力料金は、マランパヤ天然ガス発電施設の定期点検による稼働停止の影響で値上げされた。

 コアインフレ率(特定食品及びエネルギー関連品目を除く)は3.2%で前月の2.8%から0.4%ポイント上昇した。 

  12月のマニラ首都圏(地域別構成比30.006%)の総合インフレ率は 2.6%で前月(1.9%)から0.7%ポイント上昇。主として食品・非アルコール飲料の物価上昇が影響した。また、首都圏以外の地方(地域別構成比 69.994%)の総合インフレ率は前月の3.8%から0.8%ポイント上昇し4.6%となった。

 一方、2013年通年(1~12月)の平均総合インフレ率は3.0%で、2013年度政府インフレ目標圏内(3.0~5.0%)の下限であった。また、5年連続で政府インフレ目標圏内に納まった。通年の平均コアインフレ率は2.9%。


消費者物価上昇率(インフレ率:2006年基準の前年同月比%)

項目 13年12月 13年11月 13年1~12月
全国    総合インフレ率 4.1 3.3 3.0
 コアインフレ率 3.2 2.8 2.9
首都圏  総合インフレ率 2.6 1.9 1.6
地方    総合インフレ率 4.6 3.8 3.3

(出所:フィリピン国家統計局資料より作成)


総合消費者物価上昇率年平均(2006年基準、前年同月比%)

2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
平均インフレ率 2.9 8.3 4.2 3.8 4.6 3.2

(出所:フィリピン国家統計局資料より作成)


政府のインフレ率目標と実績の推移(過去実績はその目標設定時の2000年基準値)

2008年 2009年 2010年 2011年 2012~14年 2015~16年
インフレ目標 3.0~5.0% 2.5~4.5% 3.5~5.5% 3.0~5.0% 3.0~5.0% 2.0~4.0%
インフレ率実績 9.3% 3.2% 3.8% 4.4% - -

(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)


総合消費者物価上昇率(2006年基準、前年同月比%)

項目 年間 12年 13年
13年 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
総合 3.0 3.0 3.1 3.4 3.2 2.6 2.6 2.7 2.5 2.1 2.7 2.9 3.3 4.1
食料・非アルコール飲料 2.8 2.4 2.4 3.1 2.8 2.2 2.5 2.3 2.3 1.8 2.5 3.2 3.9 4.8
酒類・煙草 29.8 5.1 17.3 29.0 31.5 31.4 31.1 31.2 31.1 31.0 31.2 31.0 30.7 30.9
衣料・靴類 3.6 4.9 4.9 4.8 4.9 4.2 3.5 3.3 3.1 3.0 2.9 3.0 2.9 3.1
住宅・光熱・燃料 1.7 3.7 3.7 2.6 2.1 1.3 1.5 1.4 0.6 -0.3 1.1 0.8 1.9 3.5
家庭用品・営繕 3.3 4.8 4.9 5.0 4.7 4.0 3.7 3.3 2.9 2.4 2.3 2.2 2.3 2.4
健康・医療 3.0 3.4 3.7 3.6 3.6 3.4 3.0 2.6 2.6 2.6 2.7 2.5 2.5 2.8
交通・輸送 0.6 1.2 1.1 1.0 0.6 -0.7 -0.5 0.7 1.6 1.0 0.6 0.5 0.7 1.2
通信 0.2 0.4 0.5 0.7 0.5 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0
娯楽・文化 2.3 2.6 2.0 2.2 2.3 1.8 1.7 2.7 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.4
教育 4.5 4.4 4.4 4.4 4.4 4.4 4.4 4.5 4.7 4.7 4.7 4.7 4.7 4.7
外食・サービス他 2.4 3.2 2.8 2.8 2.9 2.7 2.3 2.1 2.0 2.2 2.2 2.2 2.1 2.3
首都圏 1.6 2.8 2.4 2.3 1.9 1.7 1.8 1.6 1.0 -0.1 1.1 1.1 1.9 2.6
 地方 3.3 3.0 3.4 3.7 3.5 2.9 2.9 3.0 2.9 2.7 3.1 3.4 3.8 4.6

(注:一部は改定値)


食料品物価上昇率(2006年基準、前年同月比%)

項目 食料 コーン 果物 野菜 肉類 魚類 乳製品・卵 油・油脂 パン・シリアル 砂糖・菓子類 その他食品
12/12月 2.3 1.9 4.5 5.5 -5.2 1.6 5.9 3.2 -5.2 2.7 3.4 2.8
13/1月 2.3 1.7 5.0 5.6 -3.6 1.7 5.2 3.1 -5.6 2.6 2.5 2.7
2月 3.0 1.9 5.9 5.1 1.4 1.9 5.8 2.9 -5.9 2.7 3.4 3.3
3月 2.8 1.6 5.7 4.2 3.2 1.8 4.9 2.8 -5.9 2.5 3.4 3.3
4月 2.1 1.4 5.3 5.0 3.5 2.0 2.1 2.3 -6.9 2.1 1.9 2.1
5月 2.4 1.5 5.7 5.2 4.8 2.4 2.6 2.1 -7.5 2.1 0.7 2.0
6月 2.3 1.8 3.8 4.6 5.5 2.2 2.6 1.7 -7.8 2.2 0.1 2.7
7月 2.3 2.4 3.6 4.9 4.3 2.1 2.6 1.7 -7.6 2.5 -2.8 3.1
8月 1.8 3.9 3.6 4.3 -2.6 2.0 1.4 1.7 -7.3 3.6 -4.1 2.8
9月 2.5 7.1 3.9 3.8 -3.7 2.0 1.5 1.7 -6.8 6.0 -4.2 3.3
10月 3.4 7.8 3.7 3.8 1.2 2.2 2.5 1.6 -5.6 6.4 -4.0 3.4
11月 4.0 8.1 3.6 3.9 5.4 2.2 3.1 1.5 -4.5 6.6 -2.7 3.3
12月 5.0 9.2 3.8 4.3 9.8 2.3 3.3 1.7 -1.9 7.4 0.1 3.6

(出所:フィリピン国家統計局資料より作成)


 なお、中央銀行(BSP)発表によると、2013年12月の総合インフレ率(2006年=100)4.1%への寄与度は、食料・非アルコール飲料1.9%(うち食料1.8%)、酒類・煙草0.6%、外食・サービス他0.3%、住宅・光熱・燃料0.8%、教育0.2%、衣料・靴類0.1%など。

 テタンコBSP総裁は、今後も、通貨政策の決定が物価安定の基本方針と一致するよう価格や生産の動向を綿密に監視していく方針を示した(14年1月7日のフィリピン国家統計局と中央銀行発表より)。


13年12月及び年間のインフレ率(2006年=100)と寄与度(%)

項目 物価指数
構成比
12月 1~12月
インフレ率 寄与度 平均インフレ率 寄与度
総合 100.00 4.1 4.1 3.0 3.0
食料・非アルコール飲料 38.98 4.8 1.9 2.8 1.1
   うち食料のみ 36.29 5.0 1.8 2.8 1.0
酒類・煙草 2.00 30.9 0.6 29.8 0.6
衣料・靴類 2.95 3.1 0.1 3.6 0.1
住宅・光熱・燃料 22.47 3.5 0.8 1.7 0.4
家庭用品・営繕 3.22 2.4 0.1 3.3 0.1
健康・医療 2.99 2.8 0.1 3.0 0.1
交通・輸送 7.81 1.2 0.1 0.6 0.0
通信 2.26 0.0 0.0 0.2 0.0
娯楽・文化 1.93 2.4 0.0 2.3 0.0
教育 3.36 4.7 0.2 4.5 0.2
外食・サービス他 12.03 2.3 0.3 2.4 0.3

(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)