日本郵船、LNG船に初のフィリピン人船長誕生

2014/01/07

機関長も、現地での質の高い船員育成の成果

 

日本郵船運航の液化天然ガス運搬船(LNG船)で、日本郵船では初となるフィリピン人の船長1人と機関長1人が誕生した。



 この2人は2013年7月に日本郵船グループの船舶管理会社、エヌワイケイ・シップマネジメント社(本社:シンガポール)にて船長および機関長に登用され、12月から実職務に就いた。エヌワイケイ・シップマネジメント社は、日本郵船の100%子会社で、日本郵船グループ運航船の船舶管理、船員配乗を行っている。管理船は156隻で、日本郵船グループの船舶管理体制の核となる会社である。

 日本は他の船会社に先駆けてフィリピンに商船大学を設立したほか、船員向けのトレーニング施設やマンニング施設の増強、マニラでの船舶管理会社事務所の開設などを進め、最大の船員供給国であるフィリピンで幹部船員育成に注力してきた。

 日本郵船のLNG船を始めとするハイリスク船の船長や機関長職は、これまで日本人、東欧人、インド人が務めていたが、船員に対し国籍を問わず統一要件を設定した独自のプログラムでもある「NYKマリタイムカレッジ」を通じて人材育成を行ってきた日本郵船グループは、フィリピン人にもハイリスク船幹部登用への道を開いてきた。

 今回のLNG船でのフィリピン人船長・機関長誕生はこの取り組みの具体的成果といえる。今後も統一要件をクリアした優秀なフィリピン人船員を、ハイリスク船幹部として順次輩出していく計画である。
 今後増加が予想されるLNG輸送需要の高まりに備え、日本郵船は質の高い船員の育成に努めることで、安定したエネルギー輸送に貢献していく方針である(13年1月7日の日本郵船株式会社ニュースリリースより)。