13年の株価1.3%上昇、5年連続高も後半に調整
2013/12/27
金融株6.4%下落、不動産株4.3%下落、資源株急落
ペソ対ドルレートは軟調、年間で7.5%のペソ安に
2013年12月は、フィリピン株式市場とペソ対米ドルレートともに続落した。引き続き、超大型台風30号の甚大な被害や、米国の金融緩和縮小の動きなどが影響した。
フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値)
フィリピン証券取引所株価指数 | ペソ対米ドルレート | |||
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2004年 | 1,822.83ポイント | 26.38% | 56.280ペソ | -1.39% |
2005年 | 2,096.04ポイント | 14.99% | 53.090ペソ | 6.01% |
2006年 | 2,982.54ポイント | 42.29% | 49.030ペソ | 8.28% |
2007年 | 3,621.60ポイント | 21.43% | 41.280ペソ | 18.77% |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% | 47.520ペソ | -13.13% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% | 46.200ペソ | 2.86% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% | 43.840ペソ | 5.38% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% | 43.840ペソ | 0.00% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% | 41.050ペソ | 6.80% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% | 44.395ペソ | -7.53% |
2013年1月 | 6,242.74ポイント | 7.40% | 40.685ペソ | 0.89% |
2月 | 6,721.45ポイント | 7.67% | 40.660ペソ | 0.06% |
3月 | 6,847.47ポイント | 1.87% | 40.800ペソ | -0.34% |
4月 | 7,070.99ポイント | 3.26% | 41.155ペソ | -0.86% |
5月 | 7,021.95ポイント | -0.69% | 42.260ペソ | -2.61% |
6月 | 6,465.28ポイント | -7.93% | 43.200ペソ | -2.18% |
7月 | 6,639.12ポイント | 2.69% | 43.420ペソ | -0.51% |
8月 | 6,075.17ポイント | -8.49% | 44.605ペソ | -2.66% |
9月 | 6,191.80ポイント | 1.92% | 43.540ペソ | 2.45% |
10月 | 6,585.38ポイント | 6.36% | 43.210ペソ | 0.76% |
11月 | 6,208.82ポイント | -5.72% | 43.760ペソ | -1.26% |
12月 | 5,889.83ポイント | -5.14% | 44.395ペソ | -1.43% |
年間 | - | 1.33% | - | -7.53% |
フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、12月月間で5.14%下落した。この結果、2013年年間の上昇率は1.33%と小幅なものとなった。年間ベースでは辛うじて5年連続の上昇となったが、非常に好調であった5月央までの上昇分が、年後半の調整でほぼ吐き出されるという結果となった。
PSEiは、5月15日には、場中瞬間値ベースで7,403.65ポイント、終値ベースで7,392.20ポイントと双方揃って史上最高値を更新した。しかし、5月後半からは、米国の金融量的緩和早期縮小観測、中国の景気鈍化や信用収縮懸念などを背景に利益確定の動きが強まった。
2013年のセクター別パフォーマンス首位はサービス産業の8.2%上昇、2位は持株会社の5.41%上昇であった。上昇したのはこの2セクターだけであり、そのほかは工業2.11%下落、不動産4.30%下落、金融6.42%下落と低調、鉱業・石油は38.59%下落と極度に不振であった。2012年は、金融と不動産が55%超の急上昇となったが、2013年はその反動が出たともいえる。
2013年の1日当たり平均売買額は約105億2,000万ペソで、2012年年間平均の72億6,128万ペソ、2011年の同57億1,323万ペソを大幅に上回った。外人の売買額シェアは51%で、2012年の45%、2011年の37.8%から上昇した。外人買い越し額は約156億ペソで、2012年の約1,100億ペソからは急減となった。
フィリピン証券取引所(PSE)の時価総額は、2012年4月央に初の10兆ペソ台に到達、2013年初に11兆ペソ台、5月初めに13兆ペソを突破した。2013年末時点では前年末比9.2%増の11兆9,313億ペソ。そのうち、国内企業の時価総額は同2.4%増の9兆6,452億ペソ、海外企業(カナダのサンライフとマニュライフなどが並行上場)の時価総額が同51.0%増の2兆,2,861億ペソである。
一方、PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、2013年12月末終値が1米ドル=44.395ぺソとなり、12月月間で1.43%続落した。年間では、2012年末の終値41.050ペソからは3.345ペソ、率にして7.53%のペソ安となった(PDSやPSEの取引記録などより)。
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 13年12月末終値 | 2013年上昇率 | 2012年上昇率 | 2011年の上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 5,889.83 | 1.33% | 32.95% | 4.07% |
全株指数 | 3,614.32 | -2.29% | 21.48% | 1.28% |
金融株指数 | 1,428.00 | -6.42% | 57.49% | 0.77% |
工業株指数 | 8,690.37 | -2.11% | 25.48% | -2.02% |
持株会社株指数 | 5,429.48 | 5.41% | 47.01% | 3.39% |
不動産株指数 | 2,205.45 | -4.30% | 55.59% | -6.40% |
サービス株指数 | 1,866.04 | 8.20% | 6.70% | 1.63% |
鉱業・石油株指数 | 11,917.94 | -38.59% | -17.43% | 68.52% |
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の指数、規模、売買額等の推移(年末・年間値)
項目 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
フィリピン証券取引所指数 | 1,872.85 | 3,052.68 | 4,201.14 | 4,371.96 | 5,812.73 | 5,889.83 |
年末時価総額(億ペソ) | 40,692 | 60,291 | 88,611 | 86,970 | 109,301 | 119,313 |
国内企業時価総額 | 24,741 | 39,919 | 68,922 | 72,390 | 94,163 | 96,452 |
外国企業時価総額 | 15,952 | 20,372 | 19,689 | 14,580 | 15,138 | 22,861 |
1日平均売買額(億ペソ) | 31.1 | 41.1 | 49.5 | 57.1 | 72.6 | 105.2 |
外人の売買額シェア | 48.7% | 32.4% | 38.1% | 37.8% | 45.0% | 51.0% |
外人買越額(億ペソ) | -221.6 | 149.2 | 356.2 | 565.2 | 1,099.8 | 155.9 |
PER(株価収益率) | 8.95倍 | 23.26倍 | 21.32倍 | 16.57倍 | 17.97倍 | 17.79倍 |
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)