シークス、フィリピンで成形・金型事業にも参入

2013/12/25

EMS(電子機器受託製造)事業の差別化・強化へ

 

 シークス(本社:大阪市中央区、東証一部上場)は、12月25日開催の取締役会において、台湾のCoxon Precise Industrial Co., Ltd(谷崧精密工業、以下、谷崧社と記す)と合弁で、フィリピンに製造会社を設立することで基本合意した。



 シークスはEMS(電子機器受託製造)事業の差別化・成長戦略の一環として、完成品対応力の強化に注力している。そして、この度、プラスチック成形や金型製造事業をアジア中心に展開し、設計力・技術力に高い評価のある谷崧社と合弁でフィリピンにおいてプラスチック成形および金型製造事業を行うことを決定した。

 フィリピンは近年、順調な経済成長とチャイナプラスワンとしての投資環境が注目され、企業進出が増加しており、シークスの部材調達代行やEMSサービス機能にプラスチック成形の機能を加えることにより、幅広い分野の企業のものづくりに関する多様なニーズに対応していく。

 2014年1月設立予定の新合弁会社の社名はSIIX COXON PRECISION PHILS., INC(シークス谷崧プレシジョン・フィリピン社:仮称)。当初資本金は450万米ドル(約4億6,000万ペソ)、シークスが55%、コクソン社が45%を出資する)。所在地はラグナ州カランバ市で、今年5月に設立されたシークスの製造子会社シークス EMS フィリピン社 の工場建屋3棟のうち1棟を利用する予定である。

 新工場の建屋面積は約4,680平米、投資額は約9億円(2013年~2016年計画)、操業開始は2014年4月と予定されている。

 なお、シークスの歴史は約50年前の1957年まで遡る。シークスの前身であるインキメーカー阪田商会(現サカタインク)貿易部に輸出係が創設され、フィリピン向けに電子部品の輸出を行ったのが始まりである。以来、電子部品・デバイス、各種電気製品・電子機器、機械等の輸出入販売及び三国間取引などの海外事業を拡大してきた。そして、1992年7月に、この事業の更なる発展を期して分社独立し「サカタインクス・インターナショナル」として設立された。その後1998年7月に社名を「シークス」と改称した。

 分社後は、民生機器のほか、車載機器、産業機器など幅広いエレクトロニクス分野を対象に、部材調達、物流機能も併せたEMS(電子機器受託製造)サービスを提供するユニークなグローバル企業として発展している(13年12月25日のシークス株式会社ニュースリリースより)。