マニラのオフィス需要好調、アジア3位の規模に

2013/12/20

東京、バンガロールに次ぐ16.9万坪(22%増)
供給限定的、需給最も逼迫:C&Wの来年予想

 

 世界有数の総合不動産サービス企業であるクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W、本社:米国ニューヨーク)が、12月19日に、「2014年・アジア主要都市のオフィス市場予測」を発表した。


 それによると、。2014年は主要30都市のオフィス床新規需要の合計が約170万坪に到達する可能性が高い。東京ののオフィス床新規需要は21.4万 坪と見込まれ、アジア30都市の中で最高となる。バンガロール(インド)の17.7万坪がこれに続き、マニラ首都圏の16.9万坪が第3位につけると C&Wは予測している。

 東京については、需要は好調で空室率は低下し、アベノミクスや対ドル円安により企業利益が増加して市場はポジティブなセンチメントからよい影響を受ける と予測されている。貸し手は将来の賃料上昇にますます強気になっている。日本経済の不確実性は依然残っていますが、投資家は賃料上昇と2020年東京オリ ンピックを好機とみて日本への投資活動を劇的に活発化させているとのことである。

 マニラ首都圏については、BPO(アウトソース)と国内需要の伸びを背景に第3位の高い需要が期待されている。深刻な台風被害からの復興に取り組みなが らも、首都マニラでは16.9万坪というアジア第3位の新規床需要が見込まれる。これは2013年比22%の増加となる。マニラ首都圏はオフィス供給が限 られているため、アジア太平洋地域で最も逼迫した市場の一つとなる見込み(13年12月19日のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド発表より)。

 また、コリアーズ・インターナショナル(コリアーズ)も先頃、「フィリピン不動産市場概観2013年第3四半期(7~9月)動向及び今後の見通し」を発表した。

 そのなかで、「マカティ中央ビジネス地域のオフィス需要は非常に堅調である。全クラスのオフィス空室率は2.8%と低く、前期から0.7%ポイント低下。主にプレミアム物件の空室率の減少が目立つ。.プレミアム、A クラスの物件は一年後更に需要が高まる」と分析・予測している。コリアーズによるオフィス供給、賃貸料、空き室率予測は下表のとおりである。



マニラ首都圏のオフィスストック&新規供給予想(単位:㎡、コリアーズ予想)

地区 12年末総面積 13年供給 14年供給 15年供給 合計
マカティCBD 2,771,784 68,131 15,288 - 2,855,203
オルティガス 1,175,350 66,999 39,773 75,072 1,357,194
BGC 747,116 229,717 137,236 154,214 1,268,283
イーストウッド 313,864 - - - 313,864
アラバン 303,866 31,131 87,210 54,030 476,237
その他 872,983 156,007 144,767 232,470 1,406,227
合計 6,184,963 551,985 424,274 515,786 7,677,008

(その他:マニラ、パサイ、マンダルーヨン、ケソン市、BGC=ボニファシオ・グローバルシティ)

 

マカティCBDオフィス空室率(コリアーズ予想)

物件タイプ 13年Q2 13年Q3 14年Q3(予)
プレミアム 4.9% 2.9% 1.9%
Aクラス 7.9% 7.7% 5.2%
Bクラス以下 1.9% 1.3% 2.4%
全クラス 3.5% 2.8% 3.0%



マカティCBDオフィス平米当たり月間賃貸料(単位:ペソ/ ㎡、コリアーズ)

物件タイプ 13年Q2 13年Q3 対前期伸び率 14年Q3(予) 年間変化率予想
プレミアム 860~1,170 875~1,185 1.5% 950~1,290 8.6%
Aクラス 580~910 595~935 2.7% 645~970 5.3%
Bクラス 455~620 465~635 2.3% 495~665 5.7%

 

供給限定的、需給最も逼迫:C&Wの来年予想