日比関係一段と緊密化へ、13日に首脳会談

2013/12/14

 中国の防空識別区設定や領海問題でも連携

 

 12月13日12時15分頃から60分間、安倍晋三内閣総理大臣は、日・ASEAN特別首脳会議のために訪日中のベニグノ・アキノ3世・フィリピン共和国大統領との間で昼食をともにしつつ会談を行った。


 日本側からは、岸田外務大臣、世耕内閣官房副長官、卜部駐フィリピン日本国大使など、フィリピン側からはデル・ロサリオ外務大臣などが同席した。その概要は以下の通り。

1.冒頭
 安倍総理から、フィリピンにおける台風30号被害に改めて見舞いを述べるとともに、東日本大震災の際の温かい支援に応えるためにも、今後も復旧・復興に向け協力していくと述べた。

2.フィリピンの台風被害からの復旧・復興
 安倍総理は、フィリピンの台風被害に対する支援は安倍政権の優先事項であり、これまで日本として可能な限りの支援を行ってきたが、今後の復旧・復興の段階でも引き続き支援したいとして、500億円に増額した「災害復旧スタンドバイ借款」や新たに準備した66億円の無償資金協力を大いに活用してほしいと述べた。また、復旧・復興の計画作りやその後のインフラ整備にも貢献していく所存であり、防災・都市計画などの分野において日本の知見を是非役立ててほしいと述べた。
 これに対し、アキノ大統領からは、これまで日本から示された支援に対する謝意が表された。

3.二国間関係、地域・国際情勢
 両首脳は、7月に安倍総理がマニラで発表した「対フィリピン外交4つのイニシアティブ」に沿って協力を進めることを確認した。「4つのイニシアティブ」とは、(1)活力ある経済を共に育む、(2)海洋分野での協力、(3)ミンダナオ和平プロセス支援の強化、(4)人的交流の促進から成る。

 また、地デジ日本方式採用の正式決定、フィリピン沿岸警備隊への巡視艇供与に関する交換公文の署名、航空関係の一層の自由化のための書簡交換等を、両国の戦略的パートナーシップの深化につながる具体的な成果として歓迎した。
 
 また、両首脳は、南シナ海をめぐる問題及び中国による防空識別区の設定等の地域・国際情勢についても意見交換を行い、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、更に緊密に連携して、地域・国際的な諸課題に取り組んでいくことを確認した。

 なお会談後に、両首脳立会いの下、岸田外務大臣とデル・ロサリオ外務大臣により、円借款案件「災害復旧スタンドバイ借款」及び「フィリピン沿岸警備隊への巡視艇供与」の交換公文署名並びに「日・フィリピン航空協定の付表改正」に係る書簡への署名が行われた(詳細は別掲)。
(13年12月13日の日本外務省発表より)