年末年始、ハムの売上が3.5~4倍に急増
2013/12/13
フルーツ缶詰、練乳、パスタ、チーズも大幅増
ニールセン、フィリピンの消費トレンドを発表
有力市場調査会社であるニールセン・カンパニー合同会社(本社:港区白金台 )は、フィリピンのクリスマスシーズンから年始にかけての消費者の購買、視聴トレンドについて、市場データのニールセン リテールインデックスと、テレビ視聴率データをもとにまとめ、その結果を発表した。
フィリピンのクリスマスシーズンと年始にかけて売り上げが増加するカテゴリーとして挙げられるのは、「子供向け商品」、「お祝い向けの食品」、「身だし なみ品」などであった。子供向け商品ではチョコレート、ゼリー電池(主に玩具向け)、お祝い向けの食品ではハム、コンデンスミルク、フルーツの缶詰、身だ しなみ品ではタルカムパウダー・リキッド(汗止め、熱さの緩和に使うパウダーやリキッド)が売り上げを伸ばしてる。
各製品の2012年月間平均売上を1とした場合、コンデンスミルクは1月が1.85、12月が1.61、パスタが同1.80、1.83、フルーツ缶詰が 同2.21、1.86、ハムが3.52、4.05、トマトソースが同1.52、1.67、チーズが1.55、1.65、サラダドレッシングが同1.74、 1.59、電池が1.26、2.46などが目立った。
それぞれの販売経路(チャネル)はスーパーマーケットが圧倒的で、クリスマスから年始にかけての売上チャネル構成比を年間平均と比べてみると、スーパー マーケットの比率がさらに高まる。スーパーでは年末年始に様々なプロモーションをかけることで、人々の購買を促している。プロモーション商品の8割はスー パーマーケットで売れており、この時期は売上も大幅に伸びる。いっぽう、マス広告費はそれほど伸びていないので、マス広告よりも店内での認知増加がプロ モーション商品の売上増加により貢献しているといえる。
身だしなみ品、子供向け商品の両カテゴリーではサリサリストア(フィリピンの零細商店)での購入も比較的目立つ。フィリピンの圧倒的多数を占 める低所得者層にとっては、少量買いができるサリサリストアも大事なチャネルである。サリサリストアは全小売店数の95%以上を占めている。ただ、クリス マスから年末年始にかけては、スーパーマーケットの店内プロモーションが盛んになることで、サリサリストアの販売額構成比は若干下降する。
一方、外出の機会が増えることから、クリスマスの週のテレビ視聴率はやや低下していく。しかしクリスマスを過ぎると、子どもの割合が圧倒的に多いフィリ ピンでは、冬休み中に家でテレビを見る子どもが多くなり、これにより若干視聴率は向上する。
フィリピンでは年間を通してドラマの人気が高く、年末年始はテーマがクリスマスや新年にちなんだテーマとなる。2012年12月の視聴率では、ボクシン グのマニー・パッキャオとファン・マヌエル・マルケスとの対戦試合の視聴率が高く、結果的に試合当日の平均視聴率を押し上げる形となった(13年12月 12日のニールセン・カンパニー合同会社プレスリリースより)。