地方銀行で初の直接提携、比進出支援強化

　

 

　八十二銀行（本店：長野県長野市）は、海外に進出する取引先のサポート態勢を一層強化するため、フィリピン最大銀行のBDO ユニバンク（バンコ・デ・オロ、以下BDO）と「業務提携に関する覚書」を締結した。なお、地方銀行でBDOと直接業務提携するのは八十二銀行が初めてである。 　 　

 

　覚書締結日は12月11日、業務提携によるサービス内容 は、1.フィリピン国内における送金・外国為替・口座開設・現地通貨建融資等の総合金融サービスの提供、2. フィリピンの投資環境、法令、税制等、現地情報の提供である 。
　

　なお、BDOの本店所在地はマニラ首都圏マカティ市、 フィリピン全土に約770支店、海外に16拠点を有している。 ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。下表のとおり、2013年9月末の総資産は1兆5,081億ペソ（約3兆6千億円）、純資産は1,626億ペソ、受け入れ預金残高は1兆2,028億ペソ、融資残高は8,464億ペソで、いずれも、フィリピンの銀行で首位となっている。

　2013年9カ月間の純利益は前年同期比73%増の182億ペソに達した。そして、9カ月間だけで、2012年の年間純利益143億ペソ（過去最高益）を大幅に上回った。また、2013年通年の純利益目標は前年比43%増の204億ペソであるが、既にその89%が達成されている

フィリピン民間上位銀行の2013年9月末の資産等の状況（単位：億ペソ）

銀行名	総資産	純資産	預金残高	融資残高
BDOユニバンク	15,081	1,626	12,028	8,464
メトロバンク	12,524	1,458	8,969	5,746
BPI	10,836	1,074	8,889	5,487
PNB	6,056	842	4,540	2,578
RCBC	3,910	464	2,589	2,149

　（出所：各行の2013年第3四半期報告書から作成） 　 　

 

　このようなBDOと提携する八十二銀行の顧客のメリットは、1.フィリピンで事業を展開するための外貨管理制度や法令等の情報を迅速かつタイムリーに入手することができる、2.BDOジャパンデスクによる日本語での取引サポートが可能となる、3、八十二銀行シンガポール駐在員事務所による現地サポートなどである。

　八十二銀行は、今後も現地銀行との業務提携拡大などにより、取引先の海外進出を支援して行く方針である（13年12月12日の株式会社八十二銀行ニュースリリースなどより）。