サンミゲル、マニラ電力(メラルコ)から撤退

2013/12/12

保有株式27%のJGサミットへの売却完了
総額718億ペソ、11日PSEでブロックセール

 

 

 

 サンミゲル・グループは、これまで保有していたメラルコ約3億0,569万株(27.1%相当)を全て売却、メラルコから完全撤退する。


 サンミゲルの保有していたメラルコ株式は、ゴコンウェイ・グループの旗艦企業であるJGサミットに売却された。この売買は、12月11日に、フィリピン 証券取引所(PSE)において、ブロックセールというかたちで行われた。売買価格は1株当たり235ペソ、総額約718億ペソであった。この結果、11日のPSE売買代金が急増した。

 多角化を推進しているサンミゲルは、電力やインフ ラ事業に注力しているが、保有するマニラ電力(メラルコ)株式に関しては売却するに至った。サンミゲル・グループは、2013年3月末時点でメラルコ株式 32.82%を保有していた。ただし、メラルコの筆頭株主は、PLDTグループのビーコン・エレクトリック・アセットホールディングス社(ビーコン)であ り、その保有比率は48.34%となっている。すなわち、サンミゲルはメラルコの有力株主ではあるが、主導権は握れない状況が続いてきていた。

 サンミゲルのメラルコ株式取得価格は1株当たり90ペソと見られており、今回の売却益は440億ペソ以上と試算される。サンミゲルは、経営権を握れない 以上、大きな含み益を有するメラルコ株式を売却することが得策と判断した。

 サンミゲルは既に7月19日に、メラルコ株式6,433万株(5.7%相当)を売却した。この売却により、サンミゲル・グループのメラルコ株式保有比率 は約27.1%へと低下。サンミゲルはこの27.1%も売却することを目指し、JGサミットとの間で売却交渉を行ってきたという経緯がある(13年12月 11日のフィリピン証券取引所回覧8817-2013号より)。