フィリピン版Suica事業入札、アヤラ連合が一番札
2013/12/10
NTTデータ、ACインフラ、MPIC、グローブ等参画
首都圏高架鉄道料金自動徴収・共通課金事業
このほど、鉄道料金自動徴収・共通課金システム(AFCS)プロジェクト入札が実施され、12月9日に、12月9日に財務的提案結果が発表された。
マニラ首都圏では、現在、都市軽量高架鉄道(LRT)1号線、LRT2号線、MRT3号線の3路線が運行されているが、相互に乗り入れていないため利便 性に欠け、ネットワーク性の向上が必要とされている。フィリピン政府もこれを喫緊の課題として捉え、3路線に共通の自動課金システムを導入するため、官民 連携(PPP)スキームでの入札を実施したのである。
アキノ政権下で6件目のPPPプロジェクトとなるAFCSは、日本のSuicaや PASMOに代表される非接触型のICカードによる課金システムで、鉄道乗車券から非接触型スマートカードタイプへの切り替え、それによる乗車券共通化、 自動徴収化を実現し、鉄道料金徴収の効率化、徴収漏れ防止、利用者の利便性向上を図ろうというものである。
AFCSプロジェクトでは、まずLRT1号線と2号線、およびMRT3号線の乗車券共通化を図る。3路線の乗車券共通化プロジェクトの総事業費は17億 2000万ペソと想定されている。現在、LRT1号線と2号線、MRT3号線の1日当たりの利用者は100万人以上に達しており、この3路線の乗車券共通 化だけで、便益性、効率性が大幅に向上する。将来的には、LRT、MRT全線のみならず、フィリピン国鉄(PNR)、バス、有料道路などとの共通化を目指 すとのことである。
そして、11月18日に応札書類提出が締め切られ、財務的提案においては、AF連合が一番札(最低価格入札)となったとのことである。12月10日付け フィリピン各紙電子版によると、AF連合の提示価格はマイナス10億8,000万ペソであったとのことである。
なお、AF連合は、アヤラ系のACインフラストラクチャー・ホールディングス、BPIカード・ファイナンス(BPIの100%子会社)、グローブ・テレ コム、そして、メトロ・パシフィック・インベストメンツ(MPIC)、スマート・コミュニケーション、NTTデータによって構成されている。