日本技術によるマイバララ地熱発電所、来年商業運転へ
2013/12/07
日本技術によるマイバララ地熱発電所、来年商業運転へ
ルソン島バタンガス州サントトーマスのマイバララ地熱発電所が、2014年の早い時期に、商業運転を開始する見込みである。
同発電所は、今年10月7日に、適合証明書(COC)を取得している。COC取得は商業運転開始の承認を意味するものであり、今年年内の商業運転も可能ではあった。しかし、タービン納入企業である富士電機が、万全を期すための試運転期間を延長していることから、来年早い時期の商業運転開始となる見込みである。
同発電所は、2008年に施行されたフィリピン再生可能エネルギー法を適用する初のプロジェクトとして、2011年11月にエネルギー省が認可した。アキノ政権下で初の地熱発電所プロジェクトであり、2007年に稼働した北部ネグロス地熱発電所(49メガワット)以来の地熱発電所である。ルソン島では16年ぶりとなる。
事業主体は、マイバララ・ジオサーマル社(MGI社)。MGI社は、ペトロ・グリーンエナジー社(ペトロ・エナジー・リソースの完全子会社)によって65%、トランスアジア・オイル&エナジー・デベロップメント社(TA社)によって25%、政府系PONCリニューワブル社によって10%保有されている地熱発電推進企業である。
上記の通り、同発電所のタービンなど発電装置・機器類は、世界的な地熱発電プラント関連企業である富士電機から調達された。
また、横川電機の子会社であるヨコガワ・フィリピン(ケソン市)が、制御システムの設計、調達、配送、据付、試運転に関するEPC契約を締結、発電用蒸気タービンの付帯設備と蒸気・熱水配管設備を監視・制御する統合生産制御システム、フィールド機器をリアルタイムかつリモートで管理する統合機器管理ソフトウエアパッケージ「PRMR」などを納入している。すなわち、同発電所は日本の技術による地熱発電所といえる(13年12月6日のフィリピン証券取引所回覧8717-2013号などより)。