フィリピン財務省発表によると、2013年10月の財政収支は112億ペソの赤字となったが、前年同月（117億ペソの赤字）から赤字が4%縮小した。

　10月の歳入は前年同月からほぼ横ばいの1,343億ペソ。内訳は、内国歳入庁（BIR）が前年同月比 11%増の956億ペソ、関税局（BOC）が同3%増の279億ペソ、財務局（BTｒ）は同43%減の36億ペソ、民営化収入等その他歳入が同51%減の 73億ペソであった。一方、歳出は前年同月比0.3%減の1,455億ペソ、そのうち利払い額は4%減の205億ペソであった。

　2013年年初10カ月間（1～10月）の累計財政収支は1,125億ペソの赤字で、前年同期から赤字が3%縮小。また、政府の赤字上限予想（1,527億ペソ）を大幅に下回った。

　10カ月間の歳入累計は前年同期比12%増の1 兆4,009億ペソ。内訳は、BIRが同16%増の9,935億ペソ、BOCが同5%増の2,525億ペソ、BTｒは同1%増の717億ペソ（同453億 ペソ）、その他歳入は0.4%増の831億ペソ。一方、歳出累計は前年同期比11%増の1兆5,133億ペソ。うち利払い額は4%増の2,786億ペソ （同2,669億ペソ）。

　歳出から利払い費を除外して算出されるプライマリーバランス（基礎収支）に関しては、10月は前年同月比5%減の92億ペソの黒字、年初10カ月間では、前年同期比10%増の1,666億ペソの黒字となった。

　プリシマ財務相によると、2013年年初9カ月間の煙草・アルコール製品の税収は前年同期比63.9%増の636億ペソと大幅に伸び、年間徴税目標の 73%に達した。そのうちの340億ペソは、2012年12月20日に成立した共和国法（RA）10351号（悪行税法）の増税効果によるもの（13年 12月5日のフィリピン財務省発表より）。



財政収支動向　（単位：億ペソ）

期間	10月			1～10月
年	12年	13年	伸び率(%)	12年	13年	伸び率(%)
歳入	1,343	1,343	0	12,533	14,009	12
内国歳入庁（BIR）	861	956	11	8,586	9,935	16
関税局（BOC）	269	279	3	2,406	2,525	5
財務局（BTｒ）	63	36	-43	714	717	1
その他	150	73	-51	828	831	0.4
歳出	1,460	1,455	-0.3	13,689	15,133	11
利払い	214	205	-4	2,667	2,786	4
財政収支	-117	-112	赤字4%減	-1,156	-1,125	赤字3%減
プライマリーバランス	98	92	-5	1,511	1,661	10

　（出所：フィリピン財務局資料より作成）


フィリピン財政収支推移（単位：億ペソ）

項目	年間実績推移								政府当初目標
年	05年	06年	07年	08年	09年	10年	11年	12年	11年	12年	13年
財政収支	-1,468	-648	-124	-681	-2,985	-3,145	-1,978	-2,428	-3,000	-2,791	-2,380
対GDP比(%)	-2.6	-1.0	-0.2	-0.9	-3.7	-3.5	-2.0	-2.3	-3.0	-2.6	-2.0

（出所：フィリピン財務局資料より作成）