マニラ首都圏、連続で邦人強盗・窃盗被害事件
2013/12/05
警官を名乗る人物によるセットアップ事案も多発
在比日本大使館が年末年始に向けて注意喚起
在フィリピン日本国大使館は、12月5日に、邦人社会に対し、以下のような年末年始に向けた注意喚起を行った。
1.年末年始に向けた注意喚起
毎年、クリスマス・シーズンが近づくにつれ、街頭やショッピングモール等は多くの人で賑わうが、この時期は、例年、スリ、置き引き、窃盗、強盗等の犯罪が多発する傾向にある。ついては、以下の諸点に留意し、トラブルを未然に防ぎ、またトラブルに巻き込まれないよう、家族を含め、改めて安全対策を見直されたし。
(1)犯罪を誘発する環境を作らない。
(ア)目立たない(華美な装飾品を装着しない)。
(イ)多額の現金は持ち歩かない。むやみに人前で財布を取り出さず、また高額な現金を他人に見せない。
(ウ)暴力的な言動を取らない。
(2)繁華街等人混みでは、特に身の回りの品に気をつける。
(ア)鞄などの持ち物から目を離さない。持ち物は体から離さず身体の前でかかえて持つ。
(イ)所持金は分散して持つ。
(3)徒歩で外出する場合には、日中でも身辺に注意を払う。また、特に夜間の一人歩きは避ける。
(4)見知らぬ人から日本語で話しかけられても、むやみに信用しない。
(5)車両で移動の際はドアを必ず施錠する。
(6)飲酒運転、無用なトラブルを招くような乱暴な運転をしない(偽警官等によるセットアップの危険性に要注意)。
2.最近発生した凶悪犯罪とその対策
最近では以下のとおり凶悪犯罪が発生しているので、十分注意されたし。
(1)強盗
(ア)11月上旬、首都圏マカティ市発の長距離バスを強盗4人組が襲撃し、乗客らに拳銃や刃物を突きつけ、現金等を強奪する事件が発生。
(イ)また、ルソン地方カビテ州では強盗に抵抗した外国人が拳銃で撃たれ死亡する事件、マニラ首都圏でも有名ファストフード店に強盗が押し入り、警備員と銃撃戦となり、警備員が射殺される事件なども発生。
【対策】一般商業施設や公共交通機関において偶々犯行現場に居合わせた場合など、直接のターゲットにならなくても事件に巻き込まれる危険性に十分注意しなければならない。強盗に襲われた場合や偶々その場に居合わせた場合でも、無理に抵抗したり、急に逃げ出したりすると却って危害を加えられるおそれがあり危険であるので、常に身体の安全を第一に考えて行動する。
(2)外国人殺害・殺害未遂事件
(ア)11月下旬、ビサヤ地方セブ市において外国人男性がコンドミニアムの自室で何者かに刺されて重傷を負う事件が発生。
(イ)ルソン地方バタンガスでは、外国人女性が路上で何者かに射殺される事件が発生。
【対策】当地においては、拳銃や刃物等の凶器を使用した犯行が多発しており、ちょっとしたトラブルが殺人事件に発展するおそれがあるので、無用なトラブルを招かないよう、またトラブルに巻き込まれないよう慎重かつ冷静に行動するよう心がける。
3 最近の邦人被害例とその対策
年末年始が近づくにつれ、邦人が強盗・窃盗被害に遭う事件が連日のように発生している。また、警官を名乗る人物等によるセットアップ(仕組まれた罠)事案も発生している。
(1)強盗
(ア)10月下旬、午後3時頃、首都圏マニラ市マラテ地区の路上を歩いていた邦人男性観光客が、警官を名乗る男性3人に車で連れ去られ、現金を強奪される(なお、警官を名乗る人物による強盗事件やセットアップ事案はこの他にも多発している)。
(イ)11月上旬、午後8時頃、首都圏マニラ市マラテ地区の路上で邦人男性観光客が少年少女7、8人に取り囲まれ持っていた財布を盗まれる。
(ウ)11月中旬、午後8時頃、首都圏マカティ市の路上で在留邦人男性がバイクに乗った男に現金等の入った鞄をひったくられる。
【対策】日中、外出する場合でも,常に誰かに見られていることを念頭に、不必要な大金、貴金属など身につけず、所持品、周囲に気を配り、できるだけ隙をつくらない。一方で、万が一、身に危険を感じるような事案に遭遇した場合は、決して抵抗せず、身の安全を第一に考え、冷静に行動する。なお、セットアップと疑われる事案に遭遇した場合には、努めて冷静に警官の腕章や名札を確認するなど、自衛策を講る。
(2)睡眠薬強盗
(ア)マニラ市内を観光していた邦人女性観光客が2人組の男性に声をかけられ、一緒に食事をしたところ、急に意識が遠のき、その後気がついたら多額の現金等が盗まれていた。
【対策】見知らぬ人からアプローチされた場合には何か下心があるものと考え、決して安易に信用しない。
(13年12月5日の在フィリピン日本国大使館発表より)。