納税の容易度、フィリピン131位(189カ国中)へ上昇

2013/12/02

昨年は143位、電子申告・納税制度導入等が寄与

 

 

世界銀行、国際金融公社(IFC)及びプライスウオーター・クーパースハウスは、このほど、「Paying Taxes 」最新版(2014年版)を発表した。

 

 この報告書は世界各国の税制を調査、納税のしやすさをランキングしている。具体的調査項目は、平均的な公的負担率(税率)、納税回数、納税に要する時間であり、その結果を総合的にランキングしている。今年(2014年版)の対象は189カ国・地域であった。
 

今年の報告書においては、世界中の多くの地域において、公的負担率は、引き続き緩やかに減少していると報告されている。また、32カ国・地域が納税手続きの負担を軽減するための措置を講じられたとも報告されている。そして、最も広く行われた改正は、 3年連続で、税務コンプライアンスに関するオンライン(電子申告・納税)システムの導入または改善であった。税務コンプライアンスの事務負担は引き続き減少傾向にあるが、軽減率は鈍化傾向なってきている。
 

 今年の中堅規模の企業の平均的な総合公的負担率(税率)は利益の43.1%、納税回数は26.7回、納税に要する時間は268時間であった。昨年の税率は44.7%、納税回数は27.2回、要する時間は267時間であった。納税がしやすいトップは昨年に引き続きUAEであった。以下、2位カタ―ル、3位香港、4位シンガポールと続く。逆に、納税が最もしにくい国はボリビアであった。以下、ギニア、ベネズエラ、中央アフリカ共和国、チャドと続く。
 

 そのなかで、フィリピンは131位と低ランクながら、昨年の143位(185カ国・地域)からは12ランク上昇した。これは、2012年の電子申告・納税制度導入による納税事務負担が軽減されたことなどが寄与している。
 

 ちなみに、フィリピンの公的負担率は44.5%で前年の46.6%から軽減された。ただし、189カ国平均の43.1%よりは負担が重たくなっている。また、納税回数は36回で、平均の26.7回よりもかなり多くなっている。一方、納税に要する時間は193時間で、平均の268時間を大幅に下回っている(プライスウオーター・クーパースハウスのウエブサイトなどより)。