日本企業、フィリピンの地熱発電大国化に貢献
2013/12/02
新エネルギー財団「アジア・バイオマスエネルギー協力推進オフィス」は、このほど、フィリピンの地熱発電の現状について発表した。その内容は以下のとおり。
フィリピンはインドネシア、米国、日本に次ぐ第4位の地熱資源国であり、累積地熱発電設備容量では世界2位を占めている。フィリピンでは2000年以降地 熱発電の導入が停滞していたが、2009年の再生可能エネルギー法案の施行により、地熱発電を含む再生可能エネルギーの導入に対し、法的・経済的優遇策が 取られ、動きが活発化してきた。
再生可能エネルギー計画のロードマップ(2010-2030)では、2030年までに15,236MWの地熱発電を導入する計画になっている。2013 年時点では1,843MWと2010年時点の1,904MWよりも、老朽化やそれに伴うリハビリテーション工事中のため能力が減少している。
このような中で、横河電機はマイバララ地熱発電所建設プロジェクトを受注している。子会社であるヨコガワ・フィリピン(ケソン市)が、昨年12月4日、 フィリピンのマイバララ・ジオサーマル社との間で、同社が進めるマイバララ地熱発電所建設プロジェクト向けの制御システムの設計、調達、配送、据付、試運 転に関するEPC契約を締結した。
マイバララ地熱発電所発電装置・機器類は、世界的な地熱発電プラント関連企業である富士電機から調達される。富士電機は、これまでにもネグロス・オリエ ンタル州のパリンピノン地熱発電所、レイテ島のマリトボグ地熱発電所など多数の発電装置・機器類等を納入している。
住友商事はフィリピン地熱発電事業者の最大手であるエナジーデベロップメント社(EDC社)が所有している北ネグロス地熱発電所について、主要設備をナ スロへ移設する案件を2012年12月に受注し、工事に着手している。住友商事は1998年に富士電機と共に、フィリピン最大規模のマリトボグ地熱発電所 (77.5MW x 3基)を手掛け、完工させた実績もある。フィリピンでの実績を含め、住友商事が工事・主要機器の供給に携わった地熱発電プロジェクトの総出力は約 2,200MWに達する。
これらの例でみられるように、日本や日本企業は、世界第2位の規模のフィリピン地熱発電事業に大きく貢献しているといえよう((アジア・バイオマスエネルギー協力推進オフィスのウエブサイトなどより)。