第3四半期GDP成長率、7.0%

2013/11/28

鉱工業8.2%、サービス7.5%、農林水産0.3%
中国に次ぐアジア第2位の成長率を維持
5四半期連続の7%台、 9カ月間で7.4%成長

 

 

 11月28日発表のフィリピン国民経済計算統計(2000年基準)によると、2013年第3四半期(7~9月)のGDP成長率(前年同期比実質ベース:以下同様)は7.0%となった。


 GDP成長率は、前期の7.6%(改定値:以下同様)、前年同期の7.3%からは鈍化したが依然高水準。そして、5四半期連続での7%超の成長となった。季節調整済み前期比成長率は1.1%で、前期の1.6%からは鈍化した。

 セクター別成長率は、鉱工業が8.2%(前年同期7.1%)で牽引役となった。特に、製造業が9.7%と高い成長を記録。サービス産業も7.5% (同8.0%)と依然高い伸びを見せた。とりわけ、金融が12.1%、不動産関連が12.2%と二桁の成長率を記録した。その一方で農林水産業は悪天候の影響により0.3% (同4.4%)と低調であった。

 支出項目別伸び率 は、家計最終消費支出が6.2%で、前年同期の6.7%からは鈍化したが依然堅調であった。政府支出は4.6%で、同12.3%から急鈍化した。一方、資 本形成は15.6%で同6.2%から大幅拡大した。また輸出の伸びが10.6%で、同6.2%から拡大した。

    GNI(国民総所得)成長率は7.8%となり、前期の6.4%、前年同期の7.3%から拡大した。OFW送金など海外からの純所得(NPI)の伸びが11.9%で、前期の0.1%、前年同期の7.1%から改善したことなどで、GNIの伸び率が拡大した。

 バリサカン国家経済開発庁(NEDA)長官は、第3四半期のGDP成長率7.0%が前期(7.6%)より減速したが、アジア地域でインドネシア、ベトナム、マレーシア、タイを上回り、中国(7.8%)に次ぐ高い成長率を示したことを歓迎した。

 9カ月間のGDP成長率は7.4%で、前年同期の6.7%から拡大した。また、GNI成長率は7.3%で、前年同期の6.5%から拡大した。9カ月間のセクター別成長率は農林水産業1.1%、鉱工業9.8%、サービス産業7.3%であった。個別では製造業9.8%、建設16.3%、金融13.3%、不動産関連9.3%などが目立つ。

 なお、9カ月間のGDP成長は、政府年間目標6~7%の上限を上回るペースである。第4四半期の成長率2%で年間成長率は6%に、同5.7%成長で年間成長率は7%に達する。したがって、年間目標達成の可能性はかなり高いといえる。

 ただし、第4半期には、ボホール、セブ等大規模な被害をもたらした中央ビサヤ地震、中央ルソンを直撃した台風25号(フィリピン名:サンティ、国際名:ナリ)、東ビサヤ地方を壊滅的に破壊した台風30号(フィリピン名:ヨランダ、国際名:ハイヤン)の影響が影を落とし、2013年の年間平均GDP成長率を0.5%ポイント程度鈍化させると試算されている(13年11月28日の国家統計調整委員会発表などより)。



  産業・支出項目別GDP実質成長率(前年同期比)の推移(2000年基準:単位:%)

項目 構成比 四半期成長率 9カ月成長率
13年 2012年 2013年 2012年 2013年
期間 3Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 1-3Q 1-3Q
GNI(国民総所得) 100.0 5.7 6.5 7.3 6.4 7.8 6.4 7.8 6.5 7.3
GDP(国内総生産) 83.6 6.5 6.3 7.3 7.1 7.7 7.6 7.0 6.7 7.4
NPI(海外からの純所得) 16.4 1.9 7.6 7.1 2.7 8.2 0.1 11.9 4.8 5.4
セクター別内訳
農林水産業 8.2 1.1 0.6 4.4 4.9 3.1 -0.2 0.3 2.0 1.1
 農林産業 6.5 2.2 1.3 5.5 5.2 2.5 -0.9 0.1 2.9 0.6
     米 1.4 -1.1 10.1 13.5 10.2 4.5 -1.8 -6.5 6.9 -1.1
    トウモロコシ 0.7 5.4 4.0 11.5 1.6 11.4 -25.9 7.0 7.5 0.4
  水産業 1.6 -3.8 -2.5 0.0 3.4 5.8 3.3 1.1 -2.0 3.3
鉱工業等 26.5 5.3 5.8 7.1 8.9 10.9 10.3 8.2 6.1 9.8
  鉱業 0.7 -1.7 6.5 -1.2 2.8 -1.9 -2.7 -0.8 2.0 -2.0
  製造業 18.2 6.0 4.3 5.8 5.5 9.5 10.3 9.7 5.4 9.8
  建設 4.5 1.5 11.6 17.8 29.9 29.3 17.3 4.7 10.5 16.3
  光熱水道 3.1 8.5 6.1 2.7 3.4 0.3 6.0 6.7 5.6 4.4
サービス業 49.0 8.4 7.7 8.0 6.5 6.8 7.5 7.5 8.0 7.3
  運輸倉庫通信 5.9 9.7 9.3 9.4 4.4 2.8 6.6 6.6 9.4 5.3
  商業・自動車修理等 15.0 7.8 7.8 8.2 6.6 5.5 6.8 5.8 7.9 6.0
  金融 5.9 8.7 7.0 8.6 8.8 18.0 10.3 12.1 8.0 13.3
  不動産等 10.0 7.8 8.1 7.8 6.5 5.8 9.6 12.2 7.9 9.3
支出別内訳
家計最終消費支出 57.1 6.9 6.6 6.7 6.2 5.5 5.1 6.2 6.7 5.6
政府最終消費支出 8.5 21.3 7.2 12.3 9.5 13.2 18.0 4.6 13.0 12.3
資本形成 17.7 -31.3 3.6 6.2 9.5 44.5 18.0 15.6 -8.5 24.4
 固定資本 17.8 2.8 8.7 10.5 19.7 15.6 13.2 13.1 7.2 14.0
   建設 6.8 -1.2 10.2 19.2 30.4 30.1 16.0 4.2 9.5 15.9
   耐久設備 9.5 4.5 8.4 5.8 14.1 9.6 13.0 22.3 6.0 14.8
輸出等 44.8 9.8 10.8 6.2 8.6 -7.6 -6.8 10.6 8.9 -1.4
輸入等(控除勘定) 45.0 -1.9 8.3 7.0 8.0 2.0 -2.9 14.2 4.5 4.4

(出所:国家統計調整委員会資料より作成)