フィリピン世界で断トツ:中堅企業経営者景況感
2013/11/25
景況感DIが96に、前回の84から12ポイント上昇
2位英国の76に大差、3位ベトナム、4位インド
有力会計・監査グループである太陽ASGグループ(グラント・ソントン加盟事務所)が、第18回「中堅企業経営者景況感意識調査」~世界45カ国同時調査~を発表した。
今回の調査対象である世界45カ国(前回は44カ国)の自国経済の今後一年の見通しに関する2013年第3四半期(調査実施期間2013年8月~9月、以下今回)景況感平均DIは32で、前期(同2013年5月)の27から5ポイント、前年同期(同2012年8月~9月)の8から24ポイント改善となった。
また、調査対象国のうち、G7、アジア太平洋諸国など日本とのつながりが大きい主要26カ国における今回の同DIは24となり、前期比1ポイント改善、前年同期比11ポイント改善であった。
今回の調査で、主要26カ国のうち景況感DIが高い国はフィリピン96、英国76、ベトナム64、インド57など。一方、景況感DIが低い国はギリシャ-32、タイ-28、日本-9などであった。なお、フランス、スペインの景況感は-17、-10と低い結果であるものの、それぞれ前期比+40、+20の改善がみられた。
景況感DIが大きく改善した国は、ベトナム(前期比+78)、英国(同+42)、中国(同+27)などが挙げられる。一方、タイ(同-50)、ギリシャ(-48)、トルコ(-32)等では景況感DIが急悪化した。日本も前期比-17と後退した。
地域別の同DIの動向は、前期に比べ全体的に改善傾向といえる。特にEU加盟国(同+20)、日本を除くアジア太平洋地域(同+16)では景況感の上昇が顕著である。一方、ラテンアメリカ諸国(同-10)は景況感が悪化した。
上記のように、フィリピンの景況感DIは96で、前期と前年同期の各々84から12ポイント上昇した。そして、主要国ランキングにおいて、前期の2位から1ランク上昇し首位となった。そして、今回2位に浮上した英国に20ポイントの大差をつけた。なお、フィリピンはこのところ、1位と2位の往復という動きとなっている。
日本の景況感DIは、前期調査(2013年5月)では2002年の調査開始以来最も高いDIを記録したが、今回は前期比17ポイント悪化の-9であった。対照的に、中国の同DIは、前期では2005年第4四半期に同国で調査を開始して以来最も低いDIであったが、今回は前期比27ポイント改善の31であった。米国の同DIは、前期比3ポイント悪化にとどまり52であった。また、英国の同DIは前期比42ポイント改善の76となり、調査開始以来最も高いDIを記録した。
日本で、2014年4月に予定される消費増率引き上げについて最適と思われる案について尋ねたところ、「予定通り引き上げる (14年4月に5→8%、15年10月に8→10%)」との回答が全体の46.2%で最多を占め、続いて「増税を当面見送る」が17.3%という結果だった。
また、理想の為替相場水準について尋ねると、「1ドル=100円以上105円未満」が最も多く29.8%、「1ドル=95円以上100円未満」が24.0%で続いた。また20.2%が「わからない」と回答した。
さらに、TPP交渉で貿易の自由化が進むことによる収益への影響について尋ねたところ、「わからない」という回答が最も多く、64.4%であった。「収益力が高まる」、「どちらかといえば収益力が高まる」と回答したのは全体の26.9%、「収益力が低下する」、「どちらかといえば収益力が低下する」は8.7%であった(13年11月25日のグラントソントン太陽ASG株式会社プレスリリースより)。