比トヨタ9カ月間の純利益、26%増の32億ペソ
2013/11/14
断トツのシェアで好業績、12年連続の三冠王へ
持株会社GTキャピタルの44%増益決算に寄与
メトロバンク・グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がこのほど、2013年度9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。
GTCAPの9カ月間の純利益は前年同期比44%増の77億ペソへと大幅増加した(詳細は別掲)。このGTCAPの好決算には、トヨタ自動車のフィリピン拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMPC)が大きく貢献している。
GTCAPは、メトロバンクが保有していたTMPC株式約464万株(30%)を、昨年から今年初めにかけて取得した。取得総額は90億ペソであった。これにより、GTCAPのTMPC直接保有比率は51%に高まった。一方、メトロバンクの直接保有比率はゼロとなったが、メトロバンク・グループの保有比率は51%のままで変化はない。
この売買により、GTCAPは主力事業の一つである自動車事業の基盤を強化する一方、メトロバンクは、バーゼルⅢ自己資本基準導入に向けて、自己資本や財務基盤を一段と強化した。また、GTCAPは、TMPCを子会社化したことで、その決算にTMPCの業績がより強く反映されることになり、好調なTMPCの寄与度がさらに高まることになった。
このTMPCの2013年度9カ月間(1月~9月)の純利益は前年同期比26%増の32億ペソへと二桁増加した。2012年の年間純利益は前年比37%増の30億ペソと大幅増益であったが、2013年は9カ月間だけで2012年の年間純利益額を上回ってしまった。したがって、2013年年間でも業績続伸が期待できる状況である。
TMPCの9カ月間の販売台数は5万5,334台に達している。そして、フィリピン新車市場におけるシェアは断トツの35%で、第2位の三菱モーター・フィリピンズの20%を大きく引き離している。 TMPCは、2012年の車種別シェアにおいて、乗用車、商用車双方で首位となった。すなわち、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)である。このTMPCの三冠王は11年連続の偉業であるが、2013年も12年連続での達成が期待される。
このほど発表された2013年オートフォーカス・ピープルズ・チョイス賞において、新興国専用のサブコンパクトカー「トヨタ・ヴィオス」が昨年に引き続き『オートモービル・オブ・ザ・イヤ―』に選出された。このほか、コンパクト乗用車部門で「カローラ・アルティス」、中型乗用車部門で「カムリ」、高級中型車部門で「レクサスES350」、スポーツカー部門で「トヨタ86」、バン部門で「ハイエース」、高級バン部門で「アルファード」、高級大型SUV部門で「ランド・クルーザー」が、それぞれ優秀車に選出されている。
なお、TMPCは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、1989年から生産/販売を開始した。TMPCの出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、GTCAP51%、従業員数は約1,300名である(13年11月14日のフィリピン証券取引所回覧8252-2013号などより)。