フィリピンの地デジTV、日本方式採用決定

2013/11/05

3年超の再検討期間経て比大統領府が表明

 

 

11月5日、フィリピンにおける地上デジタルテレビ放送日本方式(地デジ日本方式)の採用の再表明が行われた。




 フィリピンは、2010年6月にアロヨ前政権において地デジ日本方式の採用を決定したが、同月就任したアキノ政権下でその決定に関する再検討が行われていた。そして、5日に、フィリピン大統領府よりフィリピン政府内における再検討の結果として、地デジ日本方式を採用することが表明された。

 この結果、フィリピンは、ASEANで唯一の日本方式採用国となる。日本から地理的に近く、人口も9千万人を超えるフィリピンが日本方式を採用することは、日本企業の海外展開促進の面でも大きな意義を有するものである。

 この決定は、日本政府がフィリピン共和国に強く働きかけを行った結果、実現したものである。特に7月27日及び10月9日に実施された日・フィリピン首脳会談の際には、安倍総理からアキノ大統領に対し、地デジ日本方式採用に対する強い期待を表明し、採用の再表明に向けた働きかけを実施した。

 日本政府は、フィリピンの再表明を歓迎するとともに、今後は同国の地デジ日本方式の円滑な導入を支援していく考えである。


 なお、国際標準となっている地上デジタルテレビジョン放送の規格には、大きく分け日本方式(ISDB-T)、
、欧州方式、米国方式、中国方式の4方式が存在する。日本方式は、1つの送信機で固定端末向けと携帯端末向け放送を実現し、効率的な設備投資でネットワーク構築が可能といった優位性がある他、災害時や停電時のような状態であっても、電池で稼働しいつでもどこでも受信できる携帯端末向け放送や緊急警報放送等の機能は、災害対策のツールとしても有効である。

【日本方式採用各国の採用時期】
・ブラジル   2006年 6月
・ペルー
   2009年 4月
・アルゼンチン   2009年 8月
・チリ
  2009年 9月
・ベネズエラ   2009年10月
・エクアドル   2010年 3月
・コスタリカ   2010年 5月
・パラグアイ   2010年 6月
・フィリピン   2010年 6月
・ボリビア   2010年 7月
・ウルグアイ   2010年12月
・モルディブ(国営放送)  2011年10月
・ボツワナ   2013年 2月
・グアテマラ   2013年 5月
・ホンジュラス   2013年 9月

 日本は、ブラジルなど日本方式を採用した国とも連携し、いまだ方式決定をしていないアジア・中米諸国等にも採用を働きかけている(13年11月5日の日本総務省発表より)。