10月の株価は6.4%続伸、ペソも0.8%続伸
2013/11/04
10カ月間で株価13.3%上昇、ペソは5%下落
5月央から8月まで反落傾向であったフィリピン株式市場が9月以降持ち直しとなり、10月は堅調な動きとなった。ペソ対米ドルレートも10月は続伸となった。
フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値)
フィリピン証券取引所株価指数 | ペソ対米ドルレート | |||
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2004年 | 1,822.83ポイント | 26.38% | 56.280ペソ | -1.39% |
2005年 | 2,096.04ポイント | 14.99% | 53.090ペソ | 6.01% |
2006年 | 2,982.54ポイント | 42.29% | 49.030ペソ | 8.28% |
2007年 | 3,621.60ポイント | 21.43% | 41.280ペソ | 18.77% |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% | 47.520ペソ | -13.13% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% | 46.200ペソ | 2.86% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% | 43.840ペソ | 5.38% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% | 43.840ペソ | 0.00% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% | 41.050ペソ | 6.80% |
2013年1月 | 6,242.74ポイント | 7.40% | 40.685ペソ | 0.89% |
2月 | 6,721.45ポイント | 7.67% | 40.660ペソ | 0.06% |
3月 | 6,847.47ポイント | 1.87% | 40.800ペソ | -0.34% |
4月 | 7,070.99ポイント | 3.26% | 41.155ペソ | -0.86% |
5月 | 7,021.95ポイント | -0.69% | 42.260ペソ | -2.61% |
6月 | 6,465.28ポイント | -7.93% | 43.200ペソ | -2.18% |
7月 | 6,639.12ポイント | 2.69% | 43.420ペソ | -0.51% |
8月 | 6,075.17ポイント | -8.49% | 44.605ペソ | -2.66% |
9月 | 6,191.80ポイント | 1.92% | 43.540ペソ | 2.45% |
10月 | 6,585.38ポイント | 6.36% | 43.210ペソ | 0.76% |
10カ月間 | - | 13.29% | - | -5.00% |
フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、2009年63.00.%、 2010年37.62%、2011年4.07%、2012年32.95%と4年連続上昇、2013年も5月央までは非常に強い動きとなっていた。5月15 日には、場中瞬間値ベースで7,403.65ポイント、終値ベースで7,392.20ポイントと双方揃って史上最高値を更新した。
しかし、5月後半からは軟調な動きと変わり、6月に入ると下げ足を速めた。米国の量的緩和早期縮小観測や中国の景気鈍化や信用収縮懸念などを背景に利益確定の動きが強まり、6月は月間で7.93%、8月は同じく8.49%急落した。8月29日には5,738.06ポイントまで下落、昨年11月以来8カ月ぶりの安値水準となった。そして、5月15日に記録した史上最高値からは約22%の下落となり、昨年末の5,812.73ポイントとの比較でもマイナス圏へと低下した。
9月以降は値頃感からの押目買いの動き、米国金融緩和早期縮小懸念や中国の景気失速懸念後退、フィリピンのファンダメンタルズの再評価の動きなどを背景に、再上昇基調となっている。特に、10月は月間で6.36%続伸、10カ月間の上昇率も13.29%に達した。 10カ月間のセクター別上昇率トップはサービス株の16.21%であった。以下、持株会社の16.16%、不動産の15.09%、金融の6.05%、工業株の5.66%上昇と続く。唯一の下落セクターは鉱業・石油株で33.92%の大幅下落となっている。
10カ月間の1日当たり平均売買額は約105億ペソで、2012年年間平均の72億6,128万ペソ、2011年の同57億1,323万ペソを大幅に上回るペース。外人の売買額シェアは51%で、2012年の45%、2011年の37.8%から上昇している。外人買い越し額は約279億ペソで、2012年の年間買い越し額約1,100億ペソからは大幅縮小ペースとなっている。
フィリピン証券取引所(PSE)の時価総額は、2012年4月央に初の10兆ペソ台に到達、2013年早々に11兆ペソ台、5月初めに13兆ペソを突破した。10月31時点では前年末比14.1%増の12兆4,686億ペソ。そのうち、国内企業の時価総額は同10.2%増の10兆3,737億ペソ、海外企業(カナダのサンライフとマニュライフが並行上場)の時価総額が同38.4%増の2兆,0,949億ペソである。
一方、PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、10月末終値が1米ドル=43.210ぺソとなり、10月月間で0.76%続伸、2012年末の終値41.050ペソからは2.160ペソ、率にして5.00%のペソ安となっている(PDSやPSEの取引記録などより)。
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率(2013年は10月31日時点の数値)
項目 | 13年10月末終値 | 10カ月間上昇率 | 2012年上昇率 | 2011年上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 6,585.38 | 13.29% | 32.95% | 4.07% |
全株指数 | 3,977.12 | 7.52% | 21.48% | 1.28% |
金融株指数 | 1,618.26 | 6.05% | 57.49% | 0.77% |
工業株指数 | 9,380.11 | 5.66% | 25.48% | -2.02% |
持株会社株指数 | 5,983.26 | 16.16% | 47.01% | 3.39% |
不動産株指数 | 2,652.51 | 15.09% | 55.59% | -6.40% |
サービス株指数 | 2,004.20 | 16.21% | 6.70% | 1.63% |
鉱業・石油株指数 | 12,824.29 | -33.92% | -17.43% | 68.52% |
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の指数、規模、売買額等の推移(年末・年間値、2013年は10月31日時点の数値)
項目 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年10月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 1,872.85 | 3,052.68 | 4,201.14 | 4,371.96 | 5,812.73 | 6,585.38 |
時価総額(億ペソ) | 40,692 | 60,291 | 88,611 | 86,970 | 109,301 | 124,686 |
国内企業時価総額 | 24,741 | 39,919 | 68,922 | 72,390 | 94,163 | 103,737 |
外国企業時価総額 | 15,952 | 20,372 | 19,689 | 14,580 | 15,138 | 20,949 |
1日平均売買額(億ペソ) | 31.1 | 41.1 | 49.5 | 57.1 | 72.6 | 105.0 |
外人の売買額シェア | 48.7% | 32.4% | 38.1% | 37.8% | 45.0% | 51.0% |
外人買越額(億ペソ) | -221.6 | 149.2 | 356.2 | 565.2 | 1,099.8 | 278.8 |
PER(株価収益率) | 8.95倍 | 23.26倍 | 21.32倍 | 16.57倍 | 17.97倍 | 19.78倍 |
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)