消費者景況感、フィリピン世界第2位に
2013/11/02
首位インドネシアと微差:ニールセン調査
マーケティングリサーチと分析において世界最大の企業であるニールセンは、2013年第3四半期(7~9月期)の「消費者景況感および購買意向に関するグローバル調査」の結果を発表した。
それによると、東南アジアの消費者景況感指数は、前回調査からほぼ横ばいでありながらも依然として世界のどの地域よりも高くなっている一方、消費者は将来に向けた貯蓄を重視し、日常の支出を見直して生活費を節約している様子が明らかになった。
世界で最も消費者景況感指数が高いのはインドネシアで、2013年第3四半期は120ポイントと前四半期より4ポイント低下したものの、世界平均の94ポイントを26ポイント上回っている。これに続くフィリピンでは同3ポイント減の118ポイントであった。タイ、マレーシアでも景況感指数は2四半期連続でやや低下しているものの、世界全体で見ると消費者は非常に楽観的である。タイの景況感指数は前四半期から2ポイント下がり112ポイント、マレーシアも同じく2ポイント減で101ポイントとなった。また、シンガポールの景況感指数は3ポイント上昇し98ポイント、ベトナムでは2ポイント上昇の97ポイントであった。日本は4ポイント低下の74ポイントであった。
ニールセン
消費者景況感および購買意向に関するグローバル調査は2005年に開始され、60カ国30,000人以上のインターネット利用者を対象に消費者マインド(楽観的・悲観的)、懸念点、消費意識をアンケートの回答結果から数値化している。消費者景況感指数は100を基準とし、これより高い場合は楽観的、低い場合は悲観的と読み取ることができる。
東南アジアの消費者は世界でもっとも貯蓄する割合が高いという結果は今回も変わらず、生活必需品の購入後に残るお金の使い道として最も多く挙げられたのが貯蓄であった。インドネシアでは4人中3人(76%)が余ったお金を貯蓄していると答え、前四半期から5ポイント増加、世界平均の52%を24ポイント上回った。以下、ベトナム(同4ポイント増の72%)、タイ(同5ポイント増の68%)、フィリピン(同3ポイント減の67%)、シンガポール(同4ポイント増の64%)、マレーシア(同4ポイント減の57%)と続いている。日本でも、貯蓄に回すと答えた人は66%(同5ポイント増)と、世界平均を上回る数値となった。
東南アジアの消費者の9割近くが、この1年間に生活費節約のために出費に気を付けたと回答している。特にタイとベトナムでは、消費者の実に90%が生活費節約のために消費行動を変えたと答え、本調査史上最高を記録、世界平均の64%を26ポイントも上回った。同様にインドネシア(82%)、フィリピン(80%)、マレーシア(79%)、シンガポール(62%)、そして日本(69%)でも節約意識の高さが顕著である。
生活費節約のために支出を削る分野として挙げられたのは、新しい衣類の購入と家庭外での娯楽である。新品の衣料品の購入を控える消費者が最も多かった国はベトナム(62%)で、マレーシア(61%)とフィリピン(61%)が続く。家庭外での娯楽を減らすと答えた人が多かったのもベトナム(60%)が高く、次いでタイ(57%)、マレーシア(52%)の順である。日本では、新品の衣料品(44%)、家庭外での娯楽(46%)よりもガス・電気代(54%)ののほうが、節約の手段として多くの人に選ばれている。
なお、ニールセン・ホールディングスN.V.は世界的な情報・調査企業で、マーケティング及び消費者情報、テレビ等のメディア情報、オンライン情報、モバイル情報、トレードショーやそれに関連した分野でリーダー的地位を確立している。アメリカ・ニューヨークとオランダ・ディーメンに本社を持ち、世界100カ国以上でビジネスを展開している(13年11月1日のニールセン・カンパニー合同会社ニュースリリースより)。