ビジネス環境度、フィリピン世界最高の改善
2013/10/29
108位(189カ国中)で前年138位から急上昇
インドネシア、カンボジアを逆転、ベトナム99位
世界銀行とその傘下の国際金融公社(IFC)が10月29日に、「ドーイングビジネス(ビジネス環境)2014年版」を発表した。これは、各国・地域でのビジネス遂行の容易さ・便益性をランキングしたものであり、今回が11回目の発表となる。
今回は世界189カ国・地域が比較対象となっており、起業の容易度、建設認可取得容易度、財産の登録容易度、与信獲得容易度、投資家保護度、税金支払い手続き簡易度、輸出入手続き容易度、契約の有効度、破産手続きの容易度、電力調達容易度という10のビジネス環境インデックスでランキングが決定されている。
「ビジネス環境2014版」における総合評価トップは引き続きシンガポールであった。以下、2位香港、3位ニュージーランド、4位米国、5位デンマーク、6位マレーシア、7位韓国、8位グルジア、9位ノルウェー、10位英国と続く。アジアでは常連のシンガポール、香港のほか、マレーシアが6位、韓国が7位とベストテン入りしていることが注目される。日本は27位で低下傾向が続いた。最下位の189位チャド、188位は中央アフリカ共和国、187位はリビヤであった。投資先、成長力の高さなどで注目されている中国は96位、インドは134位と、ビジネス環境度の評価はさほど高くない。
東南アジア諸国は、ベストテン入りした3カ国のほか、タイが18位、ブルネイが59位、ベトナムが99位、フィリピンが108位、インドネシアが120位、カンボジアが137位、ラオスが159位、東ティモールが172位、ミャンマーが182位とランクされている。
世界108位のフィリピンは前年の138位(185カ国・地域中)から30ランク急上昇、世界最高水準の改善となった。そして、インドネシア、カンボジアを逆転したが、依然世界順位は3ケタ台と評価は低い。
フィリピンの個別評価は、起業の容易度170位(前年161位)、建設認可取得容易度99位(同100位)、財産の登録容易度121位(同122位)、与信獲得容易度86位(同129位)、投資家保護度128位(同128位)、税金支払い手続き簡易度131位(同143位)、輸出入手続き容易度47位(同53位)、電力調達容易度33位(同57位)、契約の有効度114位(同111位)、破産手続きの容易度100位(同165位)であった。
フィリピンは破産手続き容易度で急改善、電力調達容易度、輸入手続き容易度でも改善したが、起業の容易さでは非常に低いランクであり、前年よりさらに厳しい評価となっている(13年10月29日の世界銀行公社発表より)。