東芝、容量1テラバイトで7ミリの2.5型HDD製品化
2013/10/27
ノートPC市場では、可搬性に優れた軽量薄型のノートPCのニーズが高まっている。また、軽量薄型ノートPCでもハイビジョン動画などの記録・再生のために、データを記録・保存するストレージに対して、大きな記憶容量が求められている。
そこで、東芝は、厚さ7mmの2.5型HDDとして、業界最大クラスとなる記憶容量1テラバイト(TB)を実現した「MQ02ABF100」と750GBの「MQ02ABF075」の2機種を製品化し、11月からサンプル出荷を開始する。
「MQ02ABF100」は、新設計のディスク2枚版専用の薄型機構と薄型スピンドルモータの採用により、高面記録密度の磁気ディスク2枚を厚さ7mmの筐体に収めることができた。1TBを実現した東芝の従来製品「MQ01ABD100」に比べ、厚さが2.5mm薄型化され、薄型軽量で大容量ストレージが求められる最新のノートPCなどへの搭載に適している。
また、東芝のPC向け2.5型HDDとして初めてトラッキング用の位置決め機構に、薄型専用のボイスコイルモータとピエゾ素子を組み合わせた2段アクチュエータを採用しており、高い精度でのトラッキングを実現し、ドライブとして安定した動作が可能になる。
この新製品は、ハロゲンフリーおよびアンチモンフリーを実現しており、EU(欧州連合)RoHS指令への適合や、製品ライフサイクルにおけるCO2の削減など、人と環境に配慮している。
なお、東芝は、従来特化してきたモバイル市場向け小型HDDに加え、2009年に富士通のHDD事業を買収し、サーバ市場向けHDDにも事業分野を拡大した。また2011年7月には、社内カンパニーである「セミコンダクター社」と「ストレージプロダクツ社」を統合し、NAND型フラッシュメモリ、SSD、HDDを一社で併せ持つ、総合ストレージ事業を推進してきた。またHDDのタイ製造拠点を売却、ほぼフィリピンに集約した。フィリピンの拠点は東芝情報機器・フィリピン社などである。
東芝は、最先端の微細化技術を持つNAND型フラッシュメモリと、高速化・大容量化を続けるHDDの両方を手掛けるメーカーとして、今後もクラウド社会に適合する大容量と高性能を追求したストレージの開発と製品化を進めていく方針である(13年10月23日の株式会社東芝ニュースリリースなどより)。