丸紅等のリマ工業団地、筆頭株主交代決定

2013/10/04


アボイティス、13億6千ペソで株式60%取得へ
現筆頭株主アルソンズは電力事業に集中

 多くの日系有力企業が進出しているリマ工業団地の筆頭株主が交代する。
 リマ工業団地(リマ・テクノロジー・センター)は、フィリピン政府が重点工業地域と指定しているカラバルゾン・エリアのほぼ中心バタンガス州に位置し、マニラ首都圏とバタンガス港を結ぶ高速道路に近接する将来性豊かな地域に位置している。

、工業団地を核とした商業施設・住宅開発を併せ持つ「総合都市開発」をコンセプトとし、96年に着工、現在27社の企業が入居・操業中である。 そして、230万人を擁するバタンガス州中部のリパ・マルバル市に位置し、近接の大学・専門学校から優秀な人材の確保が容易である。工業団地内にはサービスアパート「リマパークホテル」が開業し、日本食レストラン、銀行、住宅地が併設されており、短期宿泊から長期滞在まで利用できる。

現在、セイコーエプソン、ヤマハ発動機、矢崎総業、東ソー、日立電線、JFE商事、ミツバ、ジェイテクト、第一精工、日新運輸、創美工芸などの有力日系企業のフィリピン拠点が数多く進出している。また、バンダイも進出した。

このリマ工業団地の開発主体は、丸紅とアルソンズランド社(フィリピン大手不動産会社)の合弁会社であるリマ・ランド社(LLI)である。 これまでのLLI出資比率は丸紅40%、アルソンズランド社60%である。なお、アルソンズランド社は、トーマス・アルカンタラ氏率いるアルソンズ・コンソリデイティド・リソース(ACR)の傘下企業である。
フィリピンの有力コングロマリットであるアボイティス・エクイティ―・ベンチャー(AEV)が、子会社アボイティス・ランド社を通じて、LLIに出資することが正式決定した。具体的には、アボイティス・ランド社が、アルソンズランド社の保有するLLI株式60%を取得する。

AEVグループによるLLIへの出資交渉は、すでに今年6月に公表されていた。そして、10月3日に、株式売買契約(SPA)が締結された。それによると、AEVグループによる取得総額は約13億6,432万ペソである。これには、電力企業リマ・ユーティリティーズと水道企業リマ・ウオーターの取得も含まれている。これらの売買手続きはSPA締結30日以内とされている。
なお、アボイティス・ランド社はすでに、セブ州において、ラプラプ市のマクタン経済区Ⅱ、セブ市の西セブ工業団地という2つの経済区を開発・運営している。したがって、リマ工業団地は同社運営の3番目の経済区となる。


一方、ACRグループはLLI株式60%を売却、主力の電力事業に経営資源を集中させる意向のようである(13年10月9日のフィリピン証券取引所回覧7065-2013号などより)。(13年10月4日のフィリピン証券取引所回覧7485-2013号などより)。