カジノ運営企業トラベラーズ、11月5日に上場へ
2013/10/01
リゾーツワールドを展開、IP0は最大で423億ペソ
有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)のカジノリゾート事業部門が、ついにフィリピン証券取引所(PSE)に上場される。
AGI傘下のトラベラーズ・インターナショナル・ホテル(トラベラーズ)は、ゲンティン香港と組んで、ニノイ・アキノ国際空港第3ターミナル(NAIA3)隣接地で「リゾーツワールド・マニラ(RWM)」を運営している。現在、「リゾーツワールド・マニラ(RWM)」は、172室(全てスイート)のマキシムズホテル、342室のマリオットホテル・マニラ、割安ホテルのレミントンなどで構成され、総部屋数は1,226室に達している。今後5年内に3,400室とする計画である。
RWMは新拡張計画として、2軒の新しい有力ホテルの建設に着工。新たなホテルとは、シェラトン・ホテル&リゾート(シェラトン)とヒルトン・ホテルズ&リゾーツ(ヒルトン)である。トラベラーズは、国家的大型カジノリゾートプロジェクトでもあるマ二ラ湾岸沿いの「マニラベイ・エンターテインメントシティー」においても、カジノリゾートを開発しつつある。
トラベラーズは新規公募(IPO)を経て、PSEへ新規上場する。IPO期間は10月22日~29日、上場日は11月5日と決定されている。IPO株式数は最大(増額オプションフル行使の場合)で18億0,920万株(全て新株)と予定されている。1株当たりIPO価格は最高で23.38ペソと設定されている。したがって、IPO総額は最大で約423億ペソとなる。
トラベラーズは、当初計画では、今年7月にIPOやPSEへの上場を計画していた。しかし、株式市場急落を受けて、その計画を一旦延期したという経緯がある。
なお、トラベラーズは2月19日のフィリピン・ビジネス・バンク(PBB)、5月17日のアジア・ユナイティッド・バンク(AUB)、6月10日のデルモンテ・パシフィック(DELPA)、8月13日のマイクロ・ファイナンス(小口金融)企業であるAGファイナンス(AGF)、10月30日予定のハーバースター・シッピング・サービスに続く今年6社目の新規上場となりそうだ。
ただし、DELPAのPSE上場はイントロダクション(紹介)方式であった。イントロダクション方式とは、新規公募(IPO)を実施しないで、既存株式を直接上場させる方式である。したがって、トラベラーズは今年5社目のIPO実施企業となりそうである(13年10月1日のフィリピン証券取引所IPOメモ0344-2013号より)。