日比ビジネス環境整備委員会、マニラで開催

2013/09/30

税、電力、SBMA追加課徴金問題等幅広く議論
日本は依然フィリピンの最大級の貿易・投資国
 

   9月27日、マニラにおいて、日比経済連携協定(JPEPA)の規定に基づき、「ビジネス環境の整備に関する小委員会」第7回会合が開催された。


 そして、卜部敏直駐フィリピン日本国大使及びエイドリアン・クリストバル比貿易産業省(DTI)次官が共同議長を務めた。

 今回の会合には、フィリピン政府の関係省庁・機関から出席があり、日本側からも、在フィリピン日本大使館、JICA、JETRO等関係機関が出席した。また、民間部門を代表して、日本側からは、石神高フィリピン日本人商工会議所(JCCI)会頭をはじめとするJCCI関係者が、また、フィリピン側からはセルジオ・オルティス-ルイス比輸出者協会会頭が出席した。

 2008年12月に発効した日比経済連携協定は、両国の経済関係拡大のための重要な枠組みである。双方は、日比間の貿易及び投資に関する最近のデータが、世界経済を取り巻く状況が大変厳しいにもかかわらず、以下のように大変勇気づけられるものであることに留意した。

・2013年前期のフィリピンから日本への輸出額は51.9億米ドルであり、日本は最大の輸出先国であった。フィリピンの日本からの輸入は26.1億ドルであり、日本はフィリピンにとって第3位の輸入元であった。
・2013年第2四半期に投資促進機関(IPA)に承認された日本からフィリピンへの投資額は42億ペソであり、日本は第二位の投資国であった。

 今回の会合において、双方は、昨今、日本企業により新工場の開設が相次いでいることに見られるとおり、日本の投資家による対比投資についての関心や新規投資の動きが高まっていることに留意した。また、双方は、最近の安倍総理を始めとするハイレベルの訪問者の来比を、両国間の戦略的連携を強化するものとして歓迎した。

 会合では、税に関する問題、安価で安定的な電力供給に関する問題、バタンガス港及びスービック港の有効活用に関する問題、SBMAにより導入された追加的な課徴金の問題、優先セクターについてのグローバル・サプライチェーン分析に係る技術協力、フィリピンにおける産業人材育成等、ビジネス環境の改善に関する問題について議論された。

 この対話は、透明性、予見可能性及び一貫性のあるビジネス環境を確保するために特定の問題の解決に向けて着実かつ具体的な前進を図ることを目的としている。双方は、次回会合までにこうしたビジネス環境上の問題を減らせるよう一層の努力を行うこと、また、フィリピンへ更なる投資を誘致する上でビジネス界を交えた継続的な対話が重要である点でも一致した。本委員会は、このような目的を達成するために極めて重要な機会を提供している。

 「ビジネス環境の整備に関する小委員会」の次回会合は、2014年3月に予定されている(13年10月1日の在フィリピン日本大使館発表より)。