渦潮電機、フィリピンで電動三輪車発売へ

2013/09/25

100億円投資、5年間で15万台製造予定
  

   船舶用電装最大手の渦潮電機(本社:愛媛県今治市)傘下の電動自動車(EV)メーカーである「ビート・フィリピン」(本社:マカティ市)は、フィリピンにおいて、2014年4月までに、電動トライシクル(三輪車)を発売すると発表した。

  渦潮電機は、2011年にゼロスポーツからEV部門を取得、フィリピンにおけるEV事業推進のため、今年3月13日に現地法人「ビート・フィリピン(BEET Philippine)」(資本金:2,000万ペソ)を設立した。その事業内容は、電動トライシクルとその主要部品及び関連機器の企画、開発、製造、販売、輸出入、再ライセンス、定期点検、修理などの付帯事業である。

 現在フィリピンでは、フィリピンの電動トライシクル(eトライク)本格導入プロジェクトが始動しつつある。このプロジェクトは、アジア開発銀行(ADB)などの支援によるもので、大気汚染防止と温暖ガス排出削減を目的としたものである。
 このプロジェクトの骨子は、全国で350万台以上稼働中とされているトライシクル(サイドカー付き二輪トライシクル)のうち、10万台を電動トライシクルに置き換えるというもの。買い取型リース契約で10万台のE-トライクをトライシクル事業者に支給する。それにより、トライシクルの燃料消費量の2.8%(石油に換算して56万926バレル)削減を目指す。プロジェクト資金として、アジア開発銀行(ADB)から3億ドルの融資、クリーン技術基金(CTF)から1億5,000万ドルの融資と助成金、比政府から9,900万ドルペソが拠出される。

 このような状況の中、「ビート・フィリピン」は、ACモーター、インバーター、リチウムイオンバッテリーなどの高い技術力を結集して、環境にやさしく低走行コストの電動トライシクルを発売する。2014年4月までに第1バッチの5,000台を投入、5年間で15万台の製造・販売を目指すとのことである。

 9月25日付けフィリピン各紙電子版等によると、投資額は44億ペソ(100億円)を予定しているとのことでもある。ソフトバンクモバイルと提携し顧客管理・課金システムを開発とも報じられている。