サンボアンガ市街戦、死者87人、負傷165人に

2013/09/16

 民間人94人が人質:16日の災害対策本部発表
 

 9月9日にフィリピン南部ミンダナオ島サンボアンガ地域において、多数のモロ民族解放戦線(MNLF)のヌル・ミスアリ初代議長派が市街地を占拠、住民を人質とする事件が発生した。


 その後、同派とフィリピン治安部隊との衝突、市街戦に至り、発生8日目の16日時点でもこの占拠事件は解決に至っていない。16日のフィリピン災害対策本部(NDRRMC)の発表によると、民間人94人がMNLFの人質となっており、9,065世帯、5万0,373人が避難を余儀なくされている。
 
 衝突による死者は87人(国家警察3人、国軍6人、民間人7人、MNLF71人)、負傷者は165人(国家警察12人、国軍86人、民間人67人)に達したとのことfである。
 
 これらの事件は、フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との間の和平交渉に反対するMNLFミスアリ初代議長派一部グループが、同交渉を妨害する目的で誘拐や爆発事件を起こしていると見られている。

 フィリピン政府は2012年10月に、モロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で和平の枠組みで合意した。MILFはMNLFから分派した組織であり、MNLFのヌル・ミスアリ初代議長などはこの枠組み合意には反対していた(13年9月16日のフィリピン災害対策本部発表などより)。