ユニバーサルE、カジノ汚職疑惑へ反論

2013/09/06

PEZA「反汚職証明書」提出完了と強調

 

 カジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE社)のフィリピン・カジノ・リゾート事業における贈賄疑惑に新しい展開が見られている。

 フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設しつつある。そして、3月16日にオープンした「ソレア・リゾート&カジノ」(ソレア、ブルームベリー・リゾーツ社が開発・運営)のほか、UE社など4グループの大型カジノ・リゾートプロジェクトが進行しつつある。

 UE社グープルのプロジェクトは『マニラベイ・リゾーツ』と称され、世界最大規模のカジノ施設を含む豪華ホテルや高級レストラン、商業施設、バジェットホテル、コンドミニアム、世界最大級の噴水やビーチクラブを兼備した一大複合リゾート開発が計画されている。
 
 UE社グループ゚は、2008年7月にプロジェクト用地取得、2008年8月に暫定カジノ・ライセンス取得などの準備を進めてきた。しかし、「この事業における用地取得に不正があった」、あるいは「認可プロセスなどにおいてフィリピン賭博公社の当時のトップなどに巨額の不正資金が流れた」などとの多くの報道が行われ、米国やフィリピン当局が捜査に着手するに至っている。

 7月には、フィリピン司法省や国家捜査局(NBI)は、カジノ・リゾート用地を不正取得した容疑で、UE社の岡田和生会長ら日本人9人を含む計26人を訴追するよう勧告する方針に至った。
 そして、最近では、フィリピン法務省や国家捜査局が、日本へ捜査団を派遣、UE社の幹部から事情聴取する意向であるとも報じられている。

 このような状況下において、UE社は9月5日、「フィリピンにおけるカジノリゾートプロジェクトに関する反汚職証明書について」というタイトルの反論書を発表した。その概要は次の通り(以下、『 』部分ほぼUE社主張のまま)。

 『昨年末より、一部報道機関から不正な資金支出が行われていたのではないかなどという疑義が呈されているが、6月21日付けIR「第三者委員会からの調査報告書受領に関するお知らせ」にて報告した通り、何ら賄賂性など存在しなかったことが明らかになっている。

 一部報道機関による前記報道は、ユニバーサルテンターテインメント社が不正に資金支出を行うことによって、PEZA(フィリピン経済区庁)からの経済特区認定を受けた等などと具体的な根拠なく論難するものであったが、今般、PEZAより、同プロジェクトを現地で推進している子会社宛てに、反汚職証明書(賄賂等汚職が無かったことを表明する文書)提出の手続きを完了した旨の連絡を受けた。

 PEZAからの8月23日付け書面には、当該認定を同プロジェクトが受けるに至る具体的事実経緯が記載されている他、PEZAからは「何ら特別の計らいや特別待遇を受けることなく、1995年経済特区法-共和国法(RA)7916号(改正含む)-に基づいて『岡田』リゾーツを観光経済区とし、同社子会社タイガー・リゾーツ・レジャー・アンド・エンターテインメントをエコゾーン観光境界設定者企業とする大統領告示に必要な書類を全て提出し、PEZA経済特区の全ての開発業者及び境界設定者企業に適用される基本的要件である反汚職証明書の提出を含む通常手続きを完了した」と表明されている。

 ユニバーサルテンターテインメント社による不正な資金支出がなされていないことをPEZAが表明したという事実は、ユニバーサルテンターテインメント社のこれまでの主張を客観的に基礎付けるものであり、また事実経緯を見れば明らかなように、一部報道機関が疑義を呈する資金支出に約1年も先立つ平成20年11月28日には、PEZAは、既に、「必要な大統領告示が発行されることを条件として、PEZA理事会は、決議第08-615を通して、30.51ヘクタールの地所を観光経済区として開発するための事前資格審査認可をイーグル1(同プロジェクトに関する現地土地所有者法人)に付与した」という事実が存在していたことが判明しており、このことはユニバーサルエンターテインメント社による資金支出が不正な目的を持ち得なかったこと示している。

 このようにPEZAからの書面により、ユニバーサルテンターテインメント社が不正に資金支出を行っていたなどという一部報道機関による報道内容は全く根拠が無いものであることが再び明らかとなったが、ユニバーサルテンターテインメント社としては、当該資金支出に関して、関与人員の責任追及も含め、引き続き真実の解明に臨んでいく』(13年9月5日の株式会社ユニバーサルエンターテインメントIRリリースなどより)。