スマホ保有比率、マニラ27.1%でASEAN2位
2013/08/11
KLは26.6%、ジャカルタ23.3%、バンコク22.8%
高頻度利用:SNS閲覧等75%、チャット51.6%
博報堂は、8月9日に、アジア14都市におけるスマートフォン(スマホ)の保有・利用サービス、メディア接触時間についての分析結果を発表した。
14都市とは中国(上海/北京/広州)、香港、台湾(台北)、タイ(バンコク)、韓国(ソウル)、シンガポール、マレーシア(クアラルンプール)、フィリピン(メトロマニラ)、インドネシア(ジャカルタ)、ベトナム(ホーチミン・シティ)、インド(デリー、ムンバイ)。分析結果の概要は以下の通り。
1.携帯端末(携帯電話またはスマートフォン)は今やアジア各都市で主要なメディアである
パソコンの自宅保有率は、都市によって100%~30%と差があるが、携帯電話またはスマートフォン(スマホ)の個人保有率は全都市で90%を上回っており、ほぼ全ての人が携帯端末を保有している。アジアは徐々に携帯電話がスマートフォンに置き換わりつつある過渡期と推測される。
スマホの個人保有比率トップはソウルの85.4%、2位は香港81.0%、3位シンガポール71.2%、4位は台北64.8%、5位は北京53.5%、6位は上海49.1%、7位が広州41.6%と続く。
そして、8位マニラ首都圏27.1%、9位クアラルンプール(KL)26.6%、10位ジャカルタ23.3%、11位バンコク22.8%、12位ホーチミン・シティーの22.0%、13位ムンバイ15.8%、14位デリー9.4%となっている。すなわち、マニラ首都圏はASEAN主要都市のなかではシンガポールに次ぐ保有比率となっている。
2.スマホの保有を性・年齢で見ると、20代男女が全体を牽引している
アジア全体では、男女20代がスマホ普及を牽引している。スマホ保有率が60%以上の都市群(ソウル・香港・シンガポール・台北)では、20代に限らず、10代から50代まで年齢を問わず普及が進んでいる。保有率が40-50%台の都市群(北京、上海、広州)では、高年齢層への普及はまだこれからという状況。保有率が30%以下の都市は、都市ごとに状況は異なるが、バンコクとジャカルタでは10代女性の保有率が最も高く、両都市のスマホ利用を牽引しているのが特徴的である。
マニラ首都圏で保有率が高い層は、20代女性の37.0%、30代男性の34.0%、40代男性の33.0%、20代男性の26.0%などと続く。
3.スマホでよく利用するサービス/機能、普及率の低い都市ではソーシャルメディア(SNS)利用が上位を占める
仕事以外で利用するサービスは、全ての都市でソーシャルメディアなどの「コミュニケーション」を目的とした利用が中心。スマートフォン保有率が高い都市では、情報検索やメールなど、パソコンや従来の携帯電話でよく使われていた機能の利用も活発である。一方、普及率の低い都市では、ソーシャルメディア利用が上位を占める。
マニラ首都圏では、1位SNSの閲覧・書込み75%、2位チャット51.6%、3位電子メール38.3%、4位音楽のダウンロード・聴く32.8%、5位ショートメッセージ32%、6位情報交換22.7%、7位動画の投稿や送信21.9%、8位掲示板への書込み18.8%などと続く。
4.スマホでインターネット接続する場所は自宅内が最も多い
スマホでインターネットに接続する場所は、自宅が中心。都市によっては「電車や駅」、「オフィス」などの自宅外利用も進んでいるが、各都市のインフラの整備状況によって差がある。スマートフォンの普及率上位7都市、およびクアラルンプールでは自宅外利用の合計が自宅内利用を上回っている。
マニラ首都圏では1位自宅内90.6%、2位オフィス17.2%、3位無線LANスポット10.2%、4位学校8.6%などと続く。
5.スマホの普及が高い都市では、テレビ、パソコン、スマートフォンが3大メディアに
スマホ普及率が高い都市(ソウル、香港、シンガポール、台北)では、マスメディアとデジタルメディアへの延べ接触時間が1日約8時間から10時間もの長さに及ぶ。スマホでインターネットをする時間も1日70分を超えており、パソコンでのインターネット接続、テレビ視聴に次いで3番目の接触時間となっている。スマホの普及率が低い都市では、デジタルメディアへの延べ接触時間は低い一方、テレビ視聴時間は140分を超えている。中でもクアラルンプールのテレビ視聴時間は167分と突出している(13年8月9日の株式会社博報堂ニュースリリースより)