比トヨタ自動車25周年、世界クラスの整備学校開校

2013/08/02

雇用創出や技能者育成で経済・産業発展に貢献へ

   トヨタ自動車(トヨタ)のフィリピンにおける車両生産・販売会社であるトヨタ・モーター・フィリピン(TMPC)が、設立25周年を迎え、8月1日にマニラ首都圏マカティ市で記念式典を実施した。

 式典はドリロン上院議長、地元関係者などを来賓に迎え、トヨタの伊原副社長、TMPCのティー会長、菅田社長らの出席のもと、盛大に行なわれた。伊原副社長は挨拶で、「これまで25年間、TMPCをご支援くださった多くの方々にこころから感謝をしたい。これからもTMPとともに、お客様のニーズにより深くお応えして行きたい」と述べた。

 8月2日には、世界クラスのトヨタ・テクニカル・スクール(TMPC整備学校)の開校式をラグナ州サンタロサ市にて実施した。式典にはラモス元大統領ほか、地元関係者などを来賓に迎え、伊原副社長、ティー会長などが出席し盛大に行われた。この整備学校はフィリピンの自動車産業の発展・現地経済に貢献できる人材の育成や、海外でも活躍できる技術者の養成を目的に、TMPCサンタロサ工場隣接地に設立された。プログラムは基本コース2年、上級コース6か月(基本コース終了後追加受講)、生徒数600人である。

 トヨタは、現地生産に伴う雇用創出によりフィリピン経済へ貢献していくと同時に、優秀な技能者の育成を通じて、フィリピン自動車産業の発展にも貢献していく考えでる。

 TMPCは、8月10日~18日まで、マニラ首都圏パサイ市のワールド・トレード・センターにおいて25周年記念展示会「ザ・ワールド・オブ・トヨタ・モーターショー」を開催する。このモーターショーには、トヨタのクラシックカー、レーシングカー、スポーツカーなど36車種が展示される。懐かしのトヨタスポーツ800、T40コロナ、5ドアスターレット、センチュリー・リムジンなども披露される。

 さらに、「トヨタFCV-R」、「レクサスLF-LC」という世界でも注目度の高いコンセプトカーも展示されるとのことである。次世代燃料電池自動車「トヨタFCV-R」は、トヨタが2015年頃からの市場導入に向け、実用性の高い燃料電池専用車として提案するコンセプトモデルである。一方、「レクサスLF-LC」は、レクサスのハイブリッド・スポーツクーペのコンセプトカーである。

 トヨタはフィリピンでは、1956年にクラウンの販売を開始し、1962年には「ティアラ」(日本名コロナ)の現地生産を開始した。1976年にはフィリピンのニーズに合わせて開発を行い、新興国専用モデルの先駆けとなった「タマラオ」の生産を始めた。1988年にトヨタの車両生産・販売会社としてTMPCを設立し、1989年から生産・販売を開始。昨年3月には生産累計50万台、今年4月には販売累計80万台を達成した。

 TMPCの所在地はラグナ州サンタロサ市。現行資本金は約24億ペソ(約58億円)、出資比率はトヨタ自動車34%、メトロ銀行グループ(GTキャピタル・ホールディングス=GTCAP)51%、三井物産15%。従業員数は1,400名(2013年7月時点)、生産実績はイノーバ、ヴィオス約3万1千台(2012年)である。

 TMPCのフィリピン自動車工業会(CAMPI)加盟企業における現在のシェアは断トツの40.%である。2012年の年間純利益は前年比37%増の30億ペソと大幅増加した。2013年第1四半期の純利益も同49%増の11億ペソへと急増、2013年年間でも業績続伸が期待できる状況でもある(13年8月2日のトヨタ自動車株式会社ニュースリリースより)。