フィリピン最富豪は6年連続でSMのヘンリー・シー氏

2013/08/01

2位はルシオ・タン氏、3位アンドリュー・タン氏
ジョリビー会長11位、サンミゲル会長20位に
ユーチェンコ一族21位、PLDT会長50位に
  

   米国フォーブス誌アジア版8月12日号(発行は7月31日)において、フィリピン富豪番付トップ50(2013年版)が発表された。

 

2013年の富豪上位50人合計の純資産額は658億ドルで、フィリピンの第1四半期GDPを上回った。純資産10億ドル以上の富豪(ビリオネア)は17人に達し、2012年の15人、2011年の11名か増加とした。これは、フィリピン景気拡大(第1四半期実質GDP成長率7.8%)、不動産価値上昇、株式市場上昇による保有株式時価総額増加などによる。 

 2013年フィリピン富豪番付首位は、6年連続でSMグループ総帥のヘンリー・シー氏(88歳)一族。その純資産額120億ドルで前年の91億ドルから32%増加した。SMグループは、小売・金融・不動産を核とするコングロマリットであり、中核企業SMインベストメンツ、SMプライムホールディングス、最大行BDOユニバンクなど有力上場企業を有している。株式市場上昇でこれらの資産価値が大幅に上昇した。

 富豪番付第2位も、連続で、フィリピン航空(PAL)大株主であるルシオ・タン氏(79歳)一族となった。ルシオ・タン氏は、アジア・ブリュワリー、フォーチュン・タバコ、イートン・プロパティー、フィリピン・ナショナル・バンク(PNB)などを束ねるLTグループ社(LTG)の総帥でもある。このLTGの大規模増資や各社の株価大幅上昇等により、純資産額は75億ドルに達し、前年の45億ドルから67%増加した。

 第3位は持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)やその傘下の有力不動産企業メガワールドを率いるアンドリュー・タン氏(60歳)。不動産ブームや大規模カジノ・リゾート「リゾーツワールド・マニラ」の活況等により、純資産額は46億ドルと前年の23億ドルから倍増、順位も前年の6位から急上昇した。

 第4位は港湾業務企業ICTSIの総帥エンリケ・ラソン氏(53歳)。本業が堅調に推移していることにくわえ、今年3月に開業したカジノ・リゾート「ソレア」の寄与などにより、純資産額は45億ドルに達し前年の36億ドルから25%増加した。
 
 以下、第5位がJGサミット総帥のジョン・ゴコンウェイ氏(34億ドル)、第6位がアヤラグループ総帥のハイメ・ソベル・デ・アヤラ氏一族(31億ドル)、第7位がアボイティス一族(30億ドル)、第8位が建設最大手DMCIの総帥デイビッド・コンスンヒ氏(27億ドル)、第9位がメトロバンク総帥のジョージ・テー氏一族(同26億ドル)、第10位がピュア・ゴールド総帥のルシオ・コー氏(19億ドル)となっている。

 このほか、第11位にジョリビー・フーズ総帥のトニー・タン・カクティオン氏(17億ドル)、16位に上院議員でビスタランドなどを実質傘下に収めているマニュエル・ビリャール氏(同10.5億ドル)、20位にサンミゲル会長のエドゥアルド・コファンコ氏(同8.25億ドル)、21位にRCBCなどを率いるアルフォンソ・ユーチェンコ氏一族(7.05億ドル)、31位にサンミゲル社長のラモン・アン氏(2.6億ドル)、50位にPLDT会長のマニュエル・パンギリナン氏(1.05億ドル)などとランクされている。

 なお、フォーブス誌は今年3月、第26回世界富豪番付(2013年版)を発表している。フィリピンからは11人がランク入りし、前年の6人から大幅増加した。フィリピンの高成長や株式市場の大幅上昇などを反映していると言えよう。
 この番付では、ヘンリー・シー氏一族が世界68位、ルシオ・タン氏一族が世界248位)、エンリケ・ラソン氏が世界258位、アンドリュー・タン氏が世界345位、デイビッド・コンスンヒ・ファミリーが世界503位などとランクされた(フォーブス誌アジア版13年8月12日号電子版などより)