デルモンテP、サントリーBFとの買収交渉を否定
2013/07/21
デルモンテ・パシフィック(DELPA、設立地はブリティッシュ・バージン諸島)が、一部で報じられた買収報道に関して、フィリピン証券取引所(PSE)とシンガポール証券取引所に対し、現状を報告した。
最近、サントリー食品インターナショナル(サントリーBF)が、デルモンテ・パシフィックを買収するための交渉を行っていると報じられた。サントリーBFは今年7月3日に、東京証券取引所に上場した。日本のみならずアジアでの今年最大規模の上場案件となった。
このサントリーBFとの買収報道の正否を問うフィリピン証券取引所(PSE)に対し、DELPAは7月19日に「DELPAやその親会社、関係者が、サントリーBFとの間で交渉を行った事実はない」と回答した。DELPAは、シンガポール証券取引所に対しても同様な報告を行った。
なお、DELPAは、今年6月20日にPSEに新規上場された。DELPAは既にシンガポール証券取引所に上場されており、PSEとシンガポール証券取引所との並行上場企業となった。ただし、DELPAのPSE上場はイントロダクション(紹介)方式であった。イントロダクション方式とは、新規公募(IPO)を実施しないで、既存株式を直接上場させる方式である。
DELPAは、子会社デルモンテ・フィリピンを通じて、世界最大のパイナップル事業を営んでいる。フィリピンに2万3,000ヘクタールのパイナップル・プランテーションや75万トンの加工施設を有している。かつてはサンミゲルによって所有されていたが、2007年にカンポス・ファミリーに売却されたという経緯がある。現在もカンポス・ファミリーが支配している。
DELPAの2012年の売上高は前年比8%増の4億5,970万米ドル、帰属純利益は同17%増の3,210万米ドルであった。株主資本利益率は13.3%で、前年の12.2%、前々年の7.6%から一段と上昇した。
2013年第1四半期についても、売上高が前年同期比17%増の8,700万米ドル、帰属純利益が同2%増の450万米ドルと増収増益であった。2013年上半期決算は8月12日に発表予定である(13年7月19日のフィリピン証券取引所回覧5960-2013号などより)。