最近はマカティ市でも強盗、窃盗事件などが多発

2013/07/15

ラウニオン州では邦人射殺:海外安全対策情報
日系企業(社員)に対する脅迫事件も発生
 

 日本の「海外安全対策情報」については、従来は外務省所管の特例社団法人「海外邦人安全協会(JOSA)」を通じ、同協会の会員企業向けに情報発信が行われてきた。

 しかし、2013年1月以降の情報については四半期ごとに在フィリピン日本大使館ホームページへも掲載されることとなった。2013年4月~6月分のフィリピンに関する海外安全対策情報については、以下の通りである。

A.社会・治安情勢
1.一般治安情勢

 2013年4月~6月においても強盗・窃盗事件や銃器を使った殺人事件が多発しており、フィリピンの治安情勢は引き続き注意を要する。

 首都圏の強盗、窃盗事件は依然として多発しているが、最近ではマニラ市内(マラテ地区やエルミタ地区)のみならず、マカティ市内において強盗、窃盗事件が多発しており、マカティ市長自ら同市内における犯罪の増加につき警告を発し、首都圏警察マカティ署に巡回、警備の強化を指示している状況にある。

  なお,フィリピンにおいては銃規制の緩さから些細なことから生死にかかわる事態に発展する危険性があることを十分認識し、慎重に行動する必要がある。

2.政治的安定度
 2010年6月に就任したアキノ大統領は、3年目に入っても70%を超える高い支持率を背景に、汚職、腐敗の撲滅、治安強化及びミンダナオ和平推進を重要政策として掲げ、安定的に政権を運営してきている。

 2013年5月に実施された中間選挙は概ね平穏裡に終了し、結果は政権与党が勝利した。アキノ大統領の任期後半3年間の施政が注目される。

3.反政府勢力の動き
2012年10月、比政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で枠組み合意が署名された。和平合意に向けた協議が最終局面を迎えており、予断を許さない状況にある。また、MILFから分裂した和平合意に反対する勢力、アブ・サヤフ・グループ(ASG)やジュマ・イスラミヤ(JI)などイスラム武装勢力は、引き続き国軍等治安部隊との間で交戦しており、ミンダナオ地方の治安情勢については依然として不安定要因が大きい。

 さらに、共産主義武装勢力である新人民軍(NPA)は,ミンダナオ地域、ルソン地域及びビサヤ地域の広い範囲で国軍と交戦し、また「革命税」の支払を拒否する企業への襲撃、資金獲得の為の誘拐等を継続して行っている。2013年2月にはフィリピン政府との和平に向けた予備交渉が決裂、打ち切りとなっており、十分な注意が必要である。

4.対日感情
 概ね良好である。

B.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
1.フィリピン国家警察が発表した犯罪発生件数によれば、2013年1月から3月の犯罪種別の内訳は、殺人3,062件、 殺人未遂3万3,750件 ,強姦1,174件、 強盗9,503件、窃盗・スリ・ひったくり2万3,782件 、車両強盗1,953件などである

2.邦人被害事案
(1)4月上旬、首都圏マカティ市の路上で、邦人男性観光客が少年2~3人に囲まれ、携帯電話等を盗まれる。
(2)4月上旬、ルソン地方ラグナ州サンタロサ市の日本食レストランで在留邦人男性が現金等の入った鞄を置き引きされる。
(3)5月上旬、ルソン地方ラウニオン州サンフェルナンド市で、飲食店を経営していた在留邦人男性が何者かに射殺される。
(4)5月下旬、首都圏マカティ市内の路上で、邦人男性観光客が近づいてきた複数の子供に囲まれ、ポケットに入れていた現金やクレジットカード等を盗まれる。
(5)5月下旬、首都圏マニラ市のリサール公園で、邦人男性観光客が比人男女に声をかけられ、一緒に観光した後、連れて行かれた民家で飲食をともにしたところ、急に意識を失い、現金やクレジットカード等を盗まれる。
(6)6月中旬、邦人男性観光客がマニラ空港到着後、出迎えたタクシーに乗車したところ、タクシー運転手らに銃器とナイフで脅され、現金等を強奪される。
(7)6月中旬、首都圏マカティ市内の路上で、邦人男性がバイクに乗った比人男性に鞄をひったくられ、現金等を奪われる。

3.邦人以外の被害事案
(1)4月上旬、ルソン地方サンバレス州で、ホテル経営者の豪人男性が何者かに銃撃され死亡。
(2)4月中旬、首都圏パラニャーケ市内で、コーヒーショップを経営する米国人男性がバイクに乗った2人組に射殺される。
(3)5月下旬、首都圏マニラ市で、当地銀行支店長が2人組に射殺される。
(4)5月下旬、首都圏ケソン市の民家で住人のシンガポール人が何者かに刺殺される。
(5)6月上旬、首都圏マニラ市マラテ地区のバーで豪州人男性が比人女性4人に誘惑され、現金や携帯電話を盗まれる。
(6)6月下旬、首都圏マニラ市マラテ地区において、少年数人に囲まれ携帯電話を奪われそうになった韓国人男性が少年に抵抗したところ、加勢に加わった比人男性に射殺される。

C.誘拐・脅迫事件発生状況
 誘拐は、特にミンダナオ地方の広い地域で多く発生しており、主に実業家、中国系フィリピン人を狙った身代金目的の誘拐が多発している。こうした中、2013年5月、米国務省はサンボアンガ市において外国人を標的とする具体的な誘拐脅威情報があるとして、自国民に対し注意喚起を行ったほか、在フィリピン日本国大使館では、同市においてアブ・サヤフ・グループ(ASG)が日本人を標的とした誘拐計画を立てているとの情報に接し、在留邦人に対して注意喚起を行っている。

1.5月中旬,ミンダナオ地方北ラナオ州イリガン市で韓国人男性が武装した6人組に拉致されたが、数時間後に解放される。

2.6月下旬、ミンダナオ地方スールー州パティクル町内でNGO関係者のフィリピン系アルジェリア人女性2名が武装した8人組に拉致される。

3.6月下旬、ミンダナオ地方サンボアンガ市内で、大学職員の比人男性が武装集団に連れ去られる。

D.日本企業の安全に関する諸問題
 当地においては、一般的に企業及び個人に対する恐喝、脅迫、誘拐等が少なくなく、2013年4月~6月期においても日系企業(社員)に対する脅迫事件が発生するなど、進出日系企業関係者にとっては、企業自体及び社員の安全に対しては常時注意を要する。特に、NPAは、環境破壊、住民搾取等の名目で「革命税」を民間企業に要求し、企業側が応じない場合には、企業への脅迫、恐喝等の行為や襲撃に及んだりしている。

 4月中旬には、ルソン地方北カマリネス州においてNPAが中国系鉱山会社を襲撃する事件、6月中旬には、ミンダナオ地方南スリガオ州においてドール社のバナナ運搬車がNPAとみられる武装集団に襲撃される事件が発生している(13年7月15日の在フィリピン日本大使館発表より)。