フィリピン人の対日意識、好意的が78%

2013/07/15

安倍首相「良い」との回答62%でアジア最高
反日感情高水準は中韓のみ、他は好意的

  米国の独立系世論調査団体であるピュー・リサーチ・センターは7月11日に、アジア地域における対日意識調査結果を発表した。この調査は、3月~4月初旬にかけて、日本を含むアジア8か国の成人を対象に電話と対面方式で実施された。


 この結果発表の表題は「日本国民のセンチメント好転、高い安倍首相の人気」とされている。そして、「日本は20年間に及ぶ政治的、経済的を経て、国民の意識が好転し始めた。現在、人気の高い政治的リーダーが存在し、世界の治安維持などで大きな役割を果たそうという意識が芽生えている」と概括している。

 対日意識調査において、日本を好意的(好き)に見る比率はマレーシア80%、インドネシア79%、豪州78%、フィリピン78%、パキスタン51%、韓国22%、中国4%であった。逆に、嫌いとの比率は、マレーシア6%、インドネシア17%、豪州16%、フィリピン16%、パキスタン7%、韓国77%、中国90%であった。すなわち、反日感情が高いのは中国と韓国だけで、他のアジア諸国、特に東南アジア諸国は、日本をかなり好意的に見ている。

 戦争中の旧日本軍の行為について日本政府が「十分に謝罪したか」の質問の対しては、韓国98%、中国78%が「そうは思わない」と回答した。しかし、他の諸国は「十分謝罪した」と「謝罪は必要ない」を合計した回答が「そうは思わない」を上回るか拮抗している。「十分に謝罪していない」との回答比率が非常に高いのも、韓国と中国だけである。

 第2次世界大戦中に日本軍に占領されたフィリピン、マレーシア、インドネシアでも、既に過去のことだという認識が高くなっている。ちなみに、フィリピンは「十分に謝罪していない」との回答比率が47%であったが、「十分謝罪した」との比率も29%、「謝罪は必要ない」も19%に達している。日本では、48%が「十分謝罪した」と回答、15%が「謝罪は必要はない」と回答している。

 安倍首相に対する印象に関しても、中国、韓国ともに85%が「悪い」と回答しているが、他のアジア諸国では総じて「良い」との回答比率が「悪い」を大幅に上回っている。ちなみに、フィリピンでは「良い」が62%、「悪い」が15%、マレーシアでは「良い」が53%、「悪い」が9%、インドネシアでは「良い」が46%、「悪い」が11%、豪州では「良い」が30%、「悪い」が16%、パキスタンでは「良い」が12%、「悪い」が3%となっている。ちなみに、日本では「良い」が71%、「悪い」が28%である。

 結局、対日印象でも、対安倍首相印象でも、悪いのは韓国、中国だけであり、他のアジア諸国はかなり好意的に見ているということが判明した。この調査が、日本の調査機関でなく、米国の独立系調査機関によるものであることも注目される(13年7月11日のピュー・リサーチ・センター発表より)。