上半期の株価11%上昇、6月は8%の続落
2013/06/30
外人買越額534億ペソ、外人売買シェア51%
ペソ5%下落、米国の緩和縮小観測など響く
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  2009年以降、非常に強い動きを続けてきたフィリピン株式市場であるが、5月後半以降は主に海外要因により、大幅調整を余儀なくされている。
フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値)
フィリピン証券取引所株価指数 | ペソ対米ドルレート | |||
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2004年 | 1,822.83ポイント | 26.38% | 56.280ペソ | -1.39% |
2005年 | 2,096.04ポイント | 14.99% | 53.090ペソ | 6.01% |
2006年 | 2,982.54ポイント | 42.29% | 49.030ペソ | 8.28% |
2007年 | 3,621.60ポイント | 21.43% | 41.280ペソ | 18.77% |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% | 47.520ペソ | -13.13% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% | 46.200ペソ | 2.86% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% | 43.840ペソ | 5.38% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% | 43.840ペソ | 0.00% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% | 41.050ペソ | 6.80% |
2013年1月 | 6,242.74ポイント | 7.40% | 40.685ペソ | 0.89% |
2月 | 6,721.45ポイント | 7.67% | 40.660ペソ | 0.06% |
3月 | 6,847.47ポイント | 1.87% | 40.800ペソ | -0.34% |
4月 | 7,070.99ポイント | 3.26% | 41.155ペソ | -0.86% |
5月 | 7,021.95ポイント | -0.69% | 42.260ペソ | -2.61% |
6月 | 6,465.28ポイント | -7.93% | 43.200ペソ | -2.18% |
上半期 | - | 11.23% | - | -4.98% |
フィリピンの代表的な株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、2009年63.00.%、2010年37.62%、2011年4.07%、2012年32.95%と4年連続上昇、2013年も5月央までは非常に強い動きとなっていた。5月15日には、場中瞬間値ベースで7,403.65ポイント、終値ベースで7,392.20ポイントと双方揃って史上最高値を更新した。
しかし、5月後半からは軟調な動きと変わり、6月に入ると下げ足を速めた。米国の量的緩和早期縮小観測や中国の景気鈍化や信用収縮懸念などを背景に、利益確定の動きが強まり、6月24日には終値ベース約半年ぶりの6,000ポイント台割れとなった。25日も続落、昨年12月19日の5,752.39ポイント以来、約半年ぶりの安値に落ち込んだ。そして、5月15日に記録した史上最高値からは約22%の下落となり、昨年末の5,812.73ポイントとの比較でも僅かながらマイナス圏へと低下した。
ただし、月末にかけては押し目買いの動きが活発化、6月26日から28日まで3日連続で大幅上昇したことで、昨年末比ではプラス圏へと再浮上した。PSEiは6月単月で7.93%下落となったが、6カ月間(上半期)累計では、11.23%の上昇となっている。
6月のセクター別株価指数パフォーマンスに関しては、鉱業・石油株21.11%下落、不動産12.51%下落などが目立つ。上半期累計では1位が持株会社12.59%上昇、2位サービス12.50%上昇、3位工業(製造業、電力、建設など)10.57%上昇、4位不動産9.56%上昇、5位金融の6.42%上昇、6位が鉱業・石油29.76%下落と続く。
上半期の1日当たり平均売買額は115億1,136万ペソで、2012年年間平均の72億6,128万ペソ、2011年の同57億1,323万ペソを大幅に上回るペース。外人の累計買い越し額は約534億ペソと依然高水準。ただし、6月は約130億ペソの売り越しとなった。外人の売買額シェアは51%で、2012年の45%、2011年の37.8%から上昇している。
フィリピン証券取引所(PSE)の時価総額は、2012年4月央に初の10兆ペソ台に到達、2013年早々に11兆ペソ台、5月初めに13兆ペソを突破した。6月末時点では前年末比7.2%増の11兆7,122億ペソ。そのうち、国内企業の時価総額は同6.1%増の9兆9,941億ペソ、海外企業(カナダのサンライフとマニュライフが並行上場)の時価総額が同13.5%増の1兆,7,181億ペソである。
一方、PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、6月末終値が1米ドル=43.200ぺソとなり、6月月間で2.18%下落、2012年末の終値41.050ペソからは2.150ペソ、率にして4.98%のペソ安となっている(PDSやPSEの取引記録などより)。
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 13年6月末終値 | 6月の上昇率 | 13年上半期上昇率 | 2012年上昇率 | 2011年の上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 6,465.28 | -7.93% | 11.23% | 32.95% | 4.07% |
全株指数 | 3,932.04 | -8.39% | 6.30% | 21.48% | 1.28% |
金融株指数 | 1,623.84 | -9.64% | 6.42% | 57.49% | 0.77% |
工業株指数 | 9,815.78 | -7.50% | 10.57% | 25.48% | -2.02% |
持株会社株指数 | 5,799.23 | -6.74% | 12.59% | 47.01% | 3.39% |
不動産株指数 | 2,524.98 | -12.51% | 9.56% | 55.59% | -6.40% |
サービス株指数 | 1,940.20 | -5.93% | 12.50% | 6.70% | 1.63% |
鉱業・石油株指数 | 13,631.84 | -21.11% | -29.76% | -17.43% | 68.52% |
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の指数、規模、売買額等の推移(年末・年間値、2013年は6月30日時点の数値)
項目 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年6月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 1,872.85 | 3,052.68 | 4,201.14 | 4,371.96 | 5,812.73 | 6,465.28 |
年末時価総額(億ペソ) | 40,692 | 60,291 | 88,611 | 86,970 | 109,301 | 117,122 |
国内企業時価総額 | 24,741 | 39,919 | 68,922 | 72,390 | 94,163 | 99,941 |
外国企業時価総額 | 15,952 | 20,372 | 19,689 | 14,580 | 15,138 | 17,181 |
1日平均売買額(億ペソ) | 31.1 | 41.1 | 49.5 | 57.1 | 72.6 | 115.1 |
外人の売買額シェア | 48.7% | 32.4% | 38.1% | 37.8% | 45.0% | 51.0% |
外人買越額(億ペソ) | -221.6 | 149.2 | 356.2 | 565.2 | 1,099.8 | 534.4 |
PER(株価収益率) | 8.95倍 | 23.26倍 | 21.32倍 | 16.57倍 | 17.97倍 | 20.07倍 |
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)