26日に電力小売り自由化第1ステージがスタート
2013/06/26
まずIMW超の大口需要家対象のオープンアクセス
フィリピンにおいて、2013年6月26日から電力小売り自由化第1ステージがスタートした。
フィリピンの電力小売り自由化は、自由競争原理の導入による、アジアでも最高水準であるフィリピンの電力単価の低減化などを目的としたもので、小売競争&オープンアクセス(RCOA)というスキームのもとで実施される。
小売競争&オープンアクセス(RCOA)スキームでは、大口需要家は、小売電力供給企業(RES)を通じて、どの発電事業者から電力を購入するか自由選択が可能となる(自由競争原理の導入)。なお、大口需要家とならない需要家は従来通り、配電企業(メラルコ)などから電力供給を受ける。その購入電力を受けるための送電網と配電網の利用を、規定料金を支払うことで自由に利用が可能となる(オープンアクセス)。
小売り自由化の日程は、当初、以下のように予定されていた。
第1ステージ(2011年12月26日):1MW以上の大口需要家
第2ステージ(第1ステージ開始2年後):750KW以上の需要家
第3ステージ(第2ステージ開始1~7年後):全ての需要家
しかし、システムやインフラの準備不足などでこの計画は大幅遅延、当初予定より1年半遅れで、ようやく第1ステージがスタートした。当初予定よりは大幅に遅れてのスタートではあるが、曲りなりにも電力小売り自由化第1ステージが始動、工場を運営している製造業など大口需要家は、小売り電力販売会社から直接に電気料金を交渉して購入できる道が開けたことになる。
6月27日付けフィリピン各紙によると、RCOAスキームにいて、現時点で1メガワット(MW)以上の大口需要家として登録されているのは239社とのことである。登録第1号はキリンホールディングス出資のサンミゲル・ビール(SMB)とのことである。SMBは、小売電力供給企業(RES)であるサンミゲル・エレクトリック社から供給を受ける。
なお、小売電力供給企業(RES)ライセンスは、マニラ電力(メラルコ)のほか、丸紅と東京電力の合弁企業Teamエナジー(フィリピンズ)、アボイティス・エアナジー・ソリューション、マシンロック・パワー・パートナーズなどになどに授与されている。