丸紅等のリマ工業団地、アボイティスが60%出資へ

2013/06/26

アルソンズランドからリマランド社株式取得意向
  

 多くの日系有力企業が進出しているリマ工業団地の株主構成が大きく変化しつつある。


 リマ工業団地(リマ・テクノロジー・センター)は、フィリピン政府が重点工業地域と指定しているカラバルゾン・エリアのほぼ中心バタンガス州に位置し、マニラ首都圏とバタンガス港を結ぶ高速道路に近接する将来性豊かな地域に位置している。

、工業団地を核とした商業施設・住宅開発を併せ持つ「総合都市開発」をコンセプトとし、96年に着工、現在27社の企業が入居・操業中である。 そして、230万人を擁するバタンガス州中部のリパ・マルバル市に位置し、近接の大学・専門学校から優秀な人材の確保が容易である。
 工業団地内にはサービスアパート「リマパークホテル」が開業し、日本食レストラン、銀行、住宅地が併設されており、短期宿泊から長期滞在まで利用できる。

 現在、セイコーエプソン、ヤマハ発動機、矢崎総業、東ソー、日立電線、JFE商事、ミツバ、ジェイテクト、第一精工、日新運輸、創美工芸などの有力日系企業のフィリピン拠点が数多く進出している。また、バンダイも進出しつつある。

 このリマ工業団地の開発主体は、丸紅とアルソンズランド社(フィリピン大手不動産会社)の合弁会社であるリマ・ランド社である。 リマランド社出資比率は丸紅40%、アルソンズランド社60%である。
 
 このほど、フィリピンの有力コングロマリットであるアボイティス・エクイティ―・ベンチャー(AEV)が、子会社アボイティス・ランド社を通じて、リマランド社に出資する意向を表明した。具体的には、アボイティス・ランド社が、アルソンズランド社の保有するリマランド社株式60%を取得する。既に、アルソンズランド社に対しリマランド社株式60%の譲渡を申し入れた。ただし、株式売買は精査などを経て最終決定される(13年6月25日のフィリピン証券取引所回覧5189-2013号などより)。