JFEエンジニアリング、フィリピン下水処理施設受注

2013/06/24

丸紅出資のマイニラッドから、設計・建設・試運転まで 

  JFEエンジニアリング(JFEE、本社:東京都千代田区)は、このほど、フィリピンの上下水道事業会社であるマイニラッド・ウオーター・サービス社(マイニラッド社、本社:マニラ首都圏ケソン市)から下水処理施設を受注した。
 

 JFEEが受注したのは、マニラ首都圏ケソン市に計画される日量1万5,400立米のプラントで、設計、建設および1年間の実証運転を請負う。工期は2014年9月に施設完成、2014年12月に試運転完了を予定している。

 マイニラッド社は、1997年のフィリピン政府との民間委託契約(コンセッション契約)に基づき、マニラ首都圏の西地区全17市区をサービスエリアとして、浄水や下水処理サービスの提供、上下水道管路網の維持管理、検針や料金徴収までを含むフルコンセッション事業を行っている。
 首都圏の西地区は、急速な都市化に伴い下水道や下水処理施設の整備が急がれているが、普及率は未だ10%程度に留まっており、マイニラッド社は世界銀行の融資などにより急ピッチで整備を進めている。

 JFEEは、これまでマニラ首都圏で26箇所の下水処理施設を建設しており、これらの施設で同地区において下水処理されている量の約7割(2012年稼動分)を担っている。こうした実績を基に今回、現地の下水の性質に最適な処理プロセスや限られたスペースへのプラント配置などを提案し、マイニラッド社から高い評価を得て受注につながった。

 JFEEは、今後もマニラ首都圏を中心に下水道ネットワーク構築にエンジニアリング提案を積極的に展開し、フィリピンのインフラ整備に貢献していく方針である。

 なお、マイニラッド社には、今年丸紅が20%の出資を行っている。具体的には、丸紅は、関連会社を通じて、MPICとDMCIとの合弁企業DMWCIの株式21.54%を取得。DMWCIはマイニラッド社株式92.85%を保有していた。したがって、丸紅はマイニラッド社へ20%へ間接出資、すなわちマイニラッド社の経営権の20%を支配することになった。

 丸紅のDMWCI株式取得により、マイニラッド社に対する経営権比率はMPICが52.8%、DMCIが25.24%、丸紅が20%、その他が1.96%となた。ちなみに、丸紅の出資額は約4億米ドルである(13年6月24日のJFEエンジニアリング株式会社ニュースリリースなどより)。