消費者信頼感指数、史上最高に
2013/06/16
高所得者は強気、貧困層依然弱気
格差拡大:第2四半期中央銀行調査
フィリピン中央銀行(BSP)は、2013年第2四半期の消費者信頼感調査結果を発表した。
この調査結果は、消費者信頼感を指数(DI)化したものとして示される。 DIとはディフュージョン・インデックス(diffusion index)の略で、景気見通しなどが「よくなった」などとする消費者の割合から「悪くなった」などとする消費者の割合を差し引いた値のことである。
今回の調査実施時期は2013年4月3~15日で、調査対象はマニラ首都圏3,036世帯と地方2,848世帯の合計5,884世帯対象、回答率は97.3%であった。回答者のうち低所得者グループ(1万ペソ以下)が全体の51.6%、中所得者(1万~3万ペソ未満)グループが36.0%、高所得者(3万ペソ以上)が12.4%となっている。
この調査によると、2013年第2四半期(4月~6月)の全国消費者信頼感指数はマイナス5.7%で、前期(マイナス11.2%)、前年同期(マイナス19.5%)から大幅に改善。2007年第1四半期に調査を始めて以来、最も高い信頼感を示した。
地域別でみると、首都圏は0.8%で初のプラスに転じた。一方、地方はマイナス6.7%で前期(マイナス12.8%)、前年同期(マイナス19.6%)から改善した。
回答者は消費者のセンチメントが改善した要因として、1)雇用拡大 2)活発な投資流入 3)給料増額・収入増加 の他、低インフレ率、安定したペソ・ドル為替レート、OFW(フィリピン人海外就労者)の送金拡大、国際格付け機関フィッチによる投資適格国への引き上げ等を挙げた。
中央銀行消費者信頼感指数は、1)フィリピンの経済情勢 2)家計状況(収入・貯蓄・借金など) 3)家計所得の3指標から成る平均的信頼感指数である。13年第2四半期のフィリピンの経済情勢に対する消費者信頼感指数(全国ベース:以下同様)はマイナス4.4%(前期マイナス12.2%)、家計状況はマイナス9.6%(同マイナス15.2%)、家計所得はマイナス3.0%(同マイナス6.3%)とぞれぞれ前期より改善した。
高所得者(3万ペソ~)層の信頼感指数は、1)フィリピンの経済情勢が16.7%、2)家計状況29.3%、3)家計所得30.0%と全てプラス志向。一方、中所得者(1万~2万ペソ)層は、1)1.1%、2)1.9%、3)9.7%。 低所得者(1万ペソ以下)層は、1)マイナス10.5% 2)マイナス21.5% 3)マイナス14.5%と全てマイナスであった。 3指標全てプラスであった高・中所得者層と全てマイナスの低所得者層との差が歴然としている。
次期(2013年第3四半期)信頼感指数は全国ベースで4.1%となり、前期の同7.8%から3,7%ポイント低下。一方、今後12カ月間の消費者信頼感指数は16.1%で前期の同18.5%から2.4%ポイント低下した(13年6月14日のフィリピン中央銀行発表より)。