ジャパンディスプレイ、比ナノックスを買収
2013/06/04
液晶ディスプレイパネル後工程を強化
日本板硝子グループが株式81%売却
中小型ディスプレイデバイス企業のジャパンディスプレイ(JDI、東京都港区)は、6月1日、ナノックスより、ナノックス・フィリピン(NPI、所在地パンパンガ州クラーク)の株式81%を取得した。
この案件は、2013年4月26日付でJDIと日本板硝子 及びナノックスの間で締結した、NPI.株式を譲渡する契約に基づいて実施したものである。 現時点で、ナノックスはNPI株式の19%を継続保有している。
NPIは、液晶ディスプレイモジュールの生産会社である。従来から、JDIは、NPIに液晶ディスプレイ生産の後工程の生産委託を行っており、これを通じてNPI.の高い品質と競争力を認識していた。
DJIは、第6世代の最新ライン稼働開始による液晶ディスプレイパネルの生産(前工程)の増強に対応した後工程の拠点として、NPIを追加し、更なる生産能力の増強と競争力強化を図って行く方針である。
DJIは、世界的な需要拡大が見込まれるスマートフォン及びタブレットを中心とする中小型ディスプレイ分野において、最先端技術製品を提供するグローバルリーディングカンパニーを目指して、2012年4月に事業開始した。資本金は 3275億円 (資本剰余金を含む)。官民ファンドである産業革新機構(INCJ)が69.52%を出資、ソニー、東芝、日立が各々9.93%している。
DJIの従業員数は約6200人、製造拠点は日本国内に6カ所、中国3カ所、台湾1カ所、そしてフィリピン1カ所が加わる。販売拠点はアメリカ、欧州、韓国、中国、香港、台湾に設立済み。
DJIは特に、モバイル用、車載・産業用、コンシューマー用中小型ディスプレイ分野に注力する。また、将来に向けて、有機ELディスプレイ等の次世代パネルの研究開発も積極的に行っていく。
一方、NPIはクラーク・プレミア・インダストリアルパークにおいて、液晶ディスプレイモジュールの製造を行っている。従業員数は約4,000名。資本金は 9億9,500万円 、これまではナノックスが100%出資していた。ナノックスは日本板硝子の100%子会社である(13年6月3日の株式会社ジャパンディスプレイのニュースリリースなどより)。