フィリピン等からの訪日ビザ要件、早期緩和の動き

2013/06/03

  日本が、フィリピンなどASEANからの訪日外国人ビザ要件を緩和しつつある。

 日本の内閣は、成長戦略により力強い日本経済を立て直し、近隣諸国以上に魅力にあふれる観光立国の実現に向け強力に施策を推進すべく、今年3月、観光立国推進閣僚会議を開催し、アクション・プログラムの作成に着手した。以来、観光立国推進ワーキングチーム(座長:鶴保国土交通副大臣)において有識者会議の意見を聴きながら、主に、訪日外国人旅行の促進に関する新規性の高い施策を検討してきた。

 さる5月20日に、この観光立国推進ワーキングチーム(座長:鶴保国土交通副大臣)が第3回会合を開催し、中間とりまとめをおこなった。中間とりまとめでは、「今後人口減少・少子高齢化が見込まれる中、国内の観光需要を喚起するとともに、急速に成長するアジアを始めとする世界の観光需要を取り込むことにより、地域経済の活性化、雇用機会の増大などにつなげていくことが重要である」として、以下のような施策を効果的に推進することが打ち出された
1.オールジャパン体制による連携の強化・拡大
2.クールジャパンと一体となった日本ブランドの発信
3.新たな視点に立った訪日プロモーションの実施
4.ビザ要件の緩和
5.利用しやすい宿泊施設や交通機関の周知
6.クルーズの振興
7.航空ネットワークの更なる充実
8.出入国手続の迅速化・円滑化
9.交通機関による快適・円滑な移動のための環境整備
10.ニューツーリズムの創出
11.インフラプロジェクトと連動した観光振興
12.多言語対応の改善・強化
13.地域の観光ポテンシャルの最大化

 このなかで、4のビザ要件の緩和については、「2013年に訪日外国人旅行者数1000万人を達成し、さらに、2000万人の高みを目指すとの目標を掲げ、世界最先端の観光立国を実現するため、日・ASEAN友好協力40 周年を契機として、治安への十分な配慮を前提としつつ、年内のできるだけ早期に、ASEAN諸国からの観光客に対して、ビザ要件の緩和を更に進める。また、一定の要件を満たした外国人の長期滞在を可能とする制度の導入について検討する」との方針が打ち出されている。

 各報道などによれば、ASEAN諸国からの観光客ビザ要件の緩和については、韓国に近づけていく方針のようである。例えばタイやマレーシアについては、韓国は90日以内の滞在であればビザが不要となっている。今夏までに、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアというASEAN主要国対象に緩和する方針のようである。

 現在、外務省やその他の関係省庁で必要な作業や手順が進められれているとのことである(日本国土交通省観光庁ウエブサイトなどより)。