最大の不動産企業誕生へ、新SMプライム

2013/06/02

SM、不動産事業をSMプライムに統合へ
SMDCやハイランド・プライムは上場廃止
 

  流通・不動産・金融コングロマリットであるSMグループが、不動産事業を集約し、効率化、強化を図る。


 SMグループの旗艦企業であるSMインベストメント(SMIC)やその傘下のショッピング・モール・デベロッパー最大手SMプライム・ホールディングス(SMPH)は、各々5月31日の取締役会において、SMICの各種不動産事業をSMPHに集約することを決議した。

 SMICの不動産事業集約化は3段階方式で行われる。第1段階は、まずSMICにおいて、現在、不動産事業を主導しているSMランド(未上場企業)が、住宅不動産開発企業SMデベロップメント(SMDC:PSE上場企業)と、タガイタイでの住宅不動産開発企業ハイランド・プライム(HP)の株式公開買い付けを実施し完全子会社化する。支払い手段は保有しているSMPH株式となる。

 第2段階は、SMDCとHPを完全子会社化したSMランドとSMPHが合併する。存続会社はSMPHであり、SMPHは、SMDCとHPという上場企業2社を傘下に収めることになる。そして、第3段階は、そのSMICのホテル・リゾート事業(マウンテン・ブリス・リゾート、SMホテルズ&コンベンションズ等)やその他の不動産事業・資産を、SMPHに譲渡する。

 この3段階方式において、SMICの不動産事業・資産がSMPHに集約される。SMPHは、不動産事業取得のため、SMIC宛てに新株約15億4570万株を発行する。そして、授権資本額を現行の200億ペソから400億ペソへと倍増させる。これらの資本拡充や集約化が完了した時点で、SMPHは事業規模、事業の多様性、時価総額などで、現在の不動産最大手アヤラランドを凌ぐことになると見られている。

 一方、SMPHに集約されるSMDCとHPの上場2社は、フィリピン証券取引所(PSE)から自主的上場廃止することになる(13年5月31日のフィリピン証券取引所回覧4519、4520-2013号などより)。