東芝、フィリピンでのインフラ事業強化
2013/05/26
東芝フィリピン社内に専門部署を設置
カンボジア、ラオスなどでも積極展開へ
東芝がフィリピンでのインフラ事業体制を強化する。
東芝は5月24日に、「フィリピンの100%子会社である東芝フィリピン社内に、社会インフラ事業を推進するための新たな専門部署を設置した」と発表した。この新設部署は、東芝のフィリピンにおける社会インフラ事業を強化し、主要インフラプロジェクト参画の機会を拡大させることを目的としている。
高い成長率と人口増加率を誇るフィリピンでは、消費者製品の需要拡大が続いてきているが、今後は、発電所、送電網、道路網などのインフラ需要も急ピッチで拡大するものと見られている。政府が、官民連携(PPP)のインフラプロジェクトを推進しつつあることもフォローの風となる。
東芝は、近年堅調な経済成長を持続するフィリピンにおける事業体制を強化するため、2011年4月1日に、首都圏マカティ市に販売会社「東芝フィリピン社」を設立、同年9月に営業活動を本格開始した。当初資本金は8,600万ペソ、代表者は山本智康(やまもとともやす)氏。事業内容は液晶テレビ・ノートパソコン・白物家電製品のマーケティング・販売・アフターサービスとされている。すなわち、堅調な個人消費を背景に好調に推移しているデジタルプロダクツや白物家電等の拡販からスタートしたが、今後の社会インフラ事業の有望性に着目、インフラ専門部署の設置に至った。
東芝は、フィリピンにおいて既に、インフラ事業の実績を積み重ねている。丸紅連合が受注した2016年完成予定の首都圏高架式鉄道(MRT)7号線(全長23キロメートル)プロジェクトにおいても、車両電気品などを納入することになっている。このようなインフラ事業機会獲得のための専門部署が「東芝フィリピン社」内に誕生したのである。
なお、東南アジア諸国では、各国政府により発電や送電などのエネルギー分野や道路、鉄道などの輸送分野などへ2010年から2020年までに約150兆円の投資が行われる計画であるとされている。今後も高い経済成長率や急激な人口増加を背景として、東南アジアにおける社会インフラに関連するシステムや機器に対する需要は、着実に増加すると見込まれている。
このような状況下で、東芝は東南アジア地域における社会インフラ事業の積極展開を進めつつある。例えば、タイ、ラオス、カンボジアの社会インフラ事業を統括し、複数事業に跨る案件やスマートコミュニティ向けの受注活動も行う新会社「東芝アジア・パシフィック・タイ社」をタイに設立し、この4月に営業活動を開始している。
また、アジア統括現地法人である東芝アジア・パシフィック社がミャンマー・ヤンゴン支店を設置し、5月より活動を開始しつつある(株式会社東芝のワールドワイドウエブサイトなどより)。