マヨン火山が噴火、ドイツ人旅行者ら5人が死亡

2013/05/07

1981年には107人が犠牲、4年前には5万人が避難
 

 フィリピンで火山が噴火し、登山客やガイドが死亡した。


 5月7日午前8時頃、ルソン島南東部のアルバイ州のマヨン火山の火口付近において、水蒸気爆発とみられる噴火が発生した。爆発は約73秒間続き、灰褐色の噴煙が山頂から500メートル上空まで到達、火口の周辺で岩石の落下などが確認された。

 この噴火で、登山中だったドイツ人旅行者4人とフィリピン人の登山ガイド1人の合計5人が、岩に当たって死亡した。また、一人が行方不明となり、8人が負傷した。

 マヨン火山は、フィリピン内陸の22の活火山のなかでも最も活動的であり、1981年の噴火では泥流と火砕流で107人が死亡、4年前にも周辺住民5万人が避難する噴火を起こしている。ただし、フィリピンの火山地震研究所(PHIVOLCS)は、今回の噴火は溶岩流などを伴う大規模な噴火に至る可能性は低いとしている。

 なお、フィリピンは西太平洋のプレート沈み込み帯に位置し、日本と同様に世界で最も地震・火山の活動が活発な国の一つである。その中でも、アルバイ州は、マヨン火山の噴火による火砕流や、毎年のごとく襲来する台風による泥流や洪水が発生しており、自然災害の常襲地帯となっている。 日本は、防災・災害復興無償支援「マヨン火山周辺地域避難所整備計画」を実施している。

 また、JICAは「フィリピン地震火山監視能力強化と防災情報の利活用推進プロジェクト」(2010年2月21日から2015年2月20日)実施などにより、PHIVOLCSの地震、津波および火山の監視能力向上を支援、精度の高い防災情報が防災機関や関係団体に活用されることを目指している(13年5月7日のフィリピン災害対策本部発表などより)。